質問主意書

第221回国会(特別会)

質問主意書

質問第九二号

在日アフガニスタン人に対する領事支援の喪失及び生活基盤の安定化に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和八年七月十六日

伊勢崎 賢治


       参議院議長 関口 昌一 殿



   在日アフガニスタン人に対する領事支援の喪失及び生活基盤の安定化に関する質問主意書

 令和三年八月のアフガニスタン政変以降、政府はアフガニスタンの日本大使館及び独立行政法人国際協力機構(JICA)の現地職員やその家族を日本に退避させ、受け入れてきた。しかし、令和八年一月末に在京アフガニスタン大使館が閉鎖されたことにより、在日アフガニスタン人は旅券の発給・更新を始めとする領事サービスを受けることができなくなった。前記の政変以降に来日したアフガニスタン人を対象とした調査では、回答者の六割以上が「在京大使館閉鎖による悪影響を感じている」と、回答している。

 有識者による在日アフガニスタン人からの聞き取りによれば、令和八年一月十六日の会合の際に、外務省が海外の大使館を通じたオンライン手続やアフガニスタン大使館のある近隣国への渡航を勧めたとされる。しかし、オンライン手続についてはタリバーン当局に個人情報が把握されることへの強い懸念があり、近隣国への渡航については旅券の有効期限切れ等により現実的な選択肢にはなっていない。その結果、教育、就労、家族生活、医療、子の国籍登録等に深刻な支障が生じており、日本社会に定着し、日本のために働き続けたいとの希望を有するにもかかわらず、将来の見通しを持てない状況に置かれている。

 以上を踏まえ、以下質問する。

一 政府は、在京アフガニスタン大使館の閉鎖により在日アフガニスタン人が領事サービスを受けられなくなっている現状をどのように認識しているか示されたい。また、影響を受ける在日アフガニスタン人の人数を把握しているか示されたい。把握している場合は、その人数を示されたい。

二 政府は、旅券の取得又は更新ができないことにより、教育、就労、海外渡航、家族生活等に支障が生じている実態を把握しているか示されたい。把握している場合は、その具体的な事例及び件数を示されたい。

三 旅券の有効期限切れ等によりアフガニスタン大使館のある近隣国へ渡航できない者に対し、政府としてどのような代替措置を講ずる考えか示されたい。

四 令和六年十一月十一日付け法務省民一第二四五○号法務省民事局民事第一課長通知「日本で出生したアフガニスタン人夫婦間の子の日本国籍の取得について」によれば、日本で出生したアフガニスタン人夫婦間の子について国籍取得の相談があった場合には、外国人の子として帰化許可申請の案内を行うこととなっている。日本で出生したアフガニスタン人夫婦間の子は、「アフガニスタン国籍を有する者」又は「日本で生まれ、かつ出生の時から国籍を有しない者」のいずれに該当するか示されたい。後者の場合は、国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第八条第四号に基づき、帰化が許可されると理解してよいか示されたい。

五 日本政府の支援により退避し、その後難民認定を受けたアフガニスタン人について、長期的な法的地位の安定化を図る観点から、永住許可又は帰化要件の緩和等の特例措置を検討する考えはあるか示されたい。

  右質問する。