質問主意書

第221回国会(特別会)

質問主意書

質問第八七号

同志社国際高等学校の教育行為への文部科学省の対応に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和八年七月十六日

ラサール石井


       参議院議長 関口 昌一 殿



   同志社国際高等学校の教育行為への文部科学省の対応に関する質問主意書

 二〇二六年三月十六日、沖縄県名護市の辺野古沖において同志社国際高等学校の研修旅行中に事故が発生した(以下「当該事故」という。)。文部科学省は同年五月二十二日、「辺野古への移設工事に関する学習について、政治的活動を禁じる教育基本法第十四条第二項に反するものであったと考えられ、是正を図る必要がある。」との見解を発表した。

 個別の学校の教育行為を教育基本法(平成十八年法律第百二十号)第十四条第二項違反と認定することは初めてであり、平和教育の萎縮が危惧される。実際に、米軍基地の見学を取りやめた例があると報道されており、沖縄県教職員組合等の四団体は「教育への不当な政治介入」と抗議した。

 当該事故に係る文部科学省の対応が、平和教育の萎縮を招くことを深く憂慮し、以下質問する。

一 教育基本法第十四条第二項が禁止する「政治的活動」について、松野博一文部科学大臣(当時)は、二〇一七年二月二十八日の参議院予算委員会において、「当該行為の目的が政治的意義を持ち、その効果が政治に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉になるような行為を指す」と答弁した(以下「松野答弁」という。)。一方、松本洋平文部科学大臣は、二〇二六年六月二日及び十一日の参議院文教科学委員会において、松野答弁に言及しつつも、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対するようなことを目的として行われる行為を指すものであり、必ずしも特定の政党を支持し、又はこれに反対するための行為に限られない旨答弁した(以下「松本答弁」という。)。「政治的活動」への該当性について、松野答弁によれば、その目的と効果によって判断されるが、松本答弁によれば、その目的のみによって判断される。「政治的活動」への該当性は、いずれの答弁に基づいて判断されるか、政府の見解を明らかにされたい。

二 文部科学省は、当該事故に係る教育行為を教育基本法第十四条第二項に反すると判断するに当たり、松野答弁と松本答弁のいずれに基づいて「政治的活動」に該当すると判断したか明らかにされたい。また、当該事故に係る教育行為の目的及び効果について、どのような確認を行ったか具体的に明らかにされたい。

三 松野答弁と松本答弁との間には齟齬が生じているが、政府は二〇一七年以降、教育基本法第十四条第二項の解釈を変更したか明らかにされたい。変更した場合、その理由及び変更に至る過程を明らかにされたい。

四 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第四条によれば、私立高等学校の所轄庁は都道府県知事である。それにもかかわらず、文部科学省は二〇二六年四月二十四日、学校法人同志社が私立大学の設置者であることを理由に、同法人に対する現地調査を行った。文部科学省の学校法人一覧によれば、学校法人同志社が設置する学校のうち、同志社大学及び同志社女子大学は文部科学大臣所轄とされているが、同志社国際高等学校を含む高等学校・中学校・小学校・幼稚園計十二校は都道府県知事所轄とされている。文部科学大臣所轄ではない学校において発生した事故について文部科学省が調査を行うことは、私立学校法に違反すると思料するが、政府の見解を明らかにされたい。

五 大学を設置していない学校法人(以下「知事所轄学校法人」という。)が設置した高等学校において事故が発生した場合、調査権限を有するのは都道府県知事であるため、文部科学省は直接調査できない。大学を設置している学校法人(以下「大臣所轄学校法人」という。)が設置した高等学校と知事所轄学校法人が設置した高等学校との間で、監督の在り方に差異が生ずるのは適当でないと思料する。大臣所轄学校法人が設置した学校であっても、同学校の所轄庁が都道府県知事であれば、監督は都道府県知事に委ね、文部科学省が直接調査しない取扱いにすべきと思料するが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。