第221回国会(特別会)
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質問第八三号 国立女性教育会館の機能強化に係る政策決定過程に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和八年七月十六日 ラサール石井
参議院議長 関口 昌一 殿 国立女性教育会館の機能強化に係る政策決定過程に関する質問主意書 政府は、独立行政法人国立女性教育会館(以下「NWEC」という。)について、宿泊棟及び研修棟を撤去し、「新法人に必要な機能を本館に集約する」方針を示している。NWECの機能強化については、二〇二二年十二月から「独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)及び男女共同参画センターの機能強化に関するワーキング・グループ」において検討が行われた。同ワーキング・グループが二〇二三年四月十一日に公表した報告書(以下「報告書」という。)は、「現在の研修棟や宿泊棟といった施設の在り方についても、今後検討していくことが必要である。」としているが、施設撤去が必要とは提言していない。 政府は、二〇二五年六月十九日の参議院内閣委員会において、二〇二三年四月に報告書が公表されたことを受け、「内閣府、文部科学省、国立女性教育会館にて今後の施設の在り方について検討を開始」した旨答弁した。また、同年七月に埼玉県、十一月に嵐山町と相談を開始したが、同県及び同町から現在地への存置を求める旨の要望書が十二月に提出された旨答弁した。 市民団体が情報開示請求を行って入手した内閣府の内部文書(以下「内部文書」という。)「埼玉県視察打合せメモ」によれば、二〇二三年八月二十四日に埼玉県が内閣府及び文部科学省と共にNWECを視察した際、内閣府が施設撤去を前提として、「郊外での集合研修の場所の提供ではなく、研修内容の充実などソフト面の強化を図るとともに、アクセスのいい場所に拠点を移すこととしたい」と発言した。これに対し、埼玉県が「県としては、男女共同参画施設を手放したくはない」と発言し難色を示したと記録されている。 また、内部文書「三者協議議事要旨」には、二〇二四年一月十九日の内閣府、文部科学省、埼玉県、嵐山町及びNWECによる協議が記録されている。同要旨によれば、内閣府男女共同参画局は協議冒頭、二〇二三年四月公表の報告書を踏まえ、「内閣府と文科省、NWECの三機関で話し合いを重ね、こういった方向性で地元と相談してよいかということをそれぞれ大臣と理事長に諮り、了解を得た上で、十一月に嵐山町に御相談に伺った次第」と経緯を説明している。したがって、NWECの理事長も施設撤去計画の決定について、一定の責任を有していることとなる。 さらに、内部文書「嵐山町長往訪概要メモ」には、二〇二三年十一月二十九日に内閣府の担当者が嵐山町を訪れ、町長らと会談した際の協議の概要が記録されている。同メモによれば、国会議員が一九九〇年代から「箱モノ」に厳しい視線を向けており、施設のそのままの維持は困難である旨、特定の議員から「指導」を受けている旨が記録されている。また、「施設の引受け手がなければ撤去する」という政府の考えが記録されている。 二〇二五年十二月七日、埼玉県日高市で人権啓発講演会が開催された。同講演会において、「理事長が本当に成し遂げたい男女平等に対して、ある宗教的団体や政治的団体がブレーキをかけていることについてどう思っているのか、個人的でいいのでお話し下さい」との参加者の質問に対し、NWECの理事長は「四月になったら言わせてもらいます。今はまだ忖度しなければいけない立場ですから」と発言した。本件に係る市民団体の公開質問状に対し、理事長名で発出した回答書では、当該発言自体は否定されていない。 以上の経緯を踏まえた上で、NWECの機能強化に係る政策決定過程について、以下質問する。 一 二〇二三年四月に報告書が公表されてから、同年七月に埼玉県と相談を開始した時点又は同年八月に埼玉県とNWECを視察した時点までの間に、施設撤去を含意する見直し案はどのような手続で決定されたのか。以下の事項を明らかにし、具体的に示されたい。 1 見直し案について、決定した会議を招集した行政機関及び決定した者の職位。 2 決定の根拠。 3 決定に至るまでに行われた会議の回数。 二 前記一における事項に関する記録は行政文書として保存されているか示されたい。保存されている場合、当該記録を公開し、決定までの手続の正当性を市民が確認できるようにすべきと思料するが、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |