質問主意書

第221回国会(特別会)

質問主意書

質問第八二号

国立女性教育会館の宿泊・研修機能及び障害者の学習・交流機会の保障に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和八年七月十六日

ラサール石井


       参議院議長 関口 昌一 殿



   国立女性教育会館の宿泊・研修機能及び障害者の学習・交流機会の保障に関する質問主意書

 政府は、独立行政法人国立女性教育会館(以下「NWEC」という。)について、宿泊棟及び研修棟を撤去し、「新法人に必要な機能を本館に集約する」方針を示している。しかし、NWECは宿泊機能、研修機能及び女性教育情報センターによる専門資料提供機能を一体的に備えた唯一の施設であり、女性団体、男女共同参画推進団体、教育関係者、研究者、障害者団体等による宿泊を伴う研修、調査研究及び交流の場として長年利用されてきた。

 障害者の権利に関する条約第九条は締約国に対し、障害者が他の者と平等に、施設及びサービスへアクセスするための適当な措置をとることを求めている。また、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成二十五年法律第六十五号。以下「障害者差別解消法」という。)第七条第二項は、「行政機関等は(略)障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。」と規定している。

 独立行政法人国立青少年教育振興機構が設置する二十八施設の中には、バリアフリー対応宿泊室や車いす対応浴室を備える施設が存在する。しかし、それらの施設の多くは東京都心から離れた場所に立地している。また、女性教育情報センターのような専門図書館又は資料センターを併設し、宿泊しながら調査研究や研修を行うことができる施設ではない。NWECの宿泊棟及び研修棟の撤去後も、車いす利用者等の障害者が全国から集まり、宿泊しながら専門資料にアクセスし、数日にわたる研修及び交流を行う機会が十分に確保されるかは明らかではない。

 NWECの宿泊棟及び研修棟の撤去が障害者から学習・交流機会を奪うことにつながることを憂慮し、以下質問する。

一 国立青少年教育振興機構が設置する二十八施設について、次の事項を施設ごとに示されたい。

 1 車いす利用者が宿泊可能な客室数。

 2 車いす利用者の同時宿泊可能人数。

 3 バリアフリー対応浴室数。

 4 車いす利用者が利用可能な浴室数。

 5 車いす利用者の同時入浴可能人数。

 6 障害者が利用可能な多目的トイレの設置状況。

二 前記一の二十八施設のうち、東京都心から公共交通機関を利用しておおむね二時間以内に到達可能な施設を示されたい。

三 国立施設のうち、宿泊しながら専門図書館又は資料センターを利用し、数日にわたる研修、調査研究及び交流活動が実施可能な施設が存在する場合、その施設名及び概要を示されたい。

四 NWECの宿泊棟及び研修棟の撤去後、車いす利用者を含む複数の障害者が宿泊しながら専門資料にアクセスし研修及び交流を行う機会について、どの施設により代替可能と考えているのか、政府の見解を示されたい。

五 前記四の代替施設が、障害者の権利に関する条約第九条及び障害者差別解消法の趣旨に照らして十分な機能を有すると考えているか示されたい。有すると考える場合は具体的な理由を示されたい。

六 障害女性団体その他の障害者団体が全国から集まり、宿泊を伴う研修、調査研究及び交流活動を実施する機会について、男女共同参画の推進及び障害者の社会参加の観点からどのような役割を果たすと政府は認識しているか示されたい。

七 政府は、NWECの宿泊棟及び研修棟の撤去に当たり、障害女性団体その他の障害者団体に対し、代替施設の確保や利用環境の整備について意見聴取を行ったか示されたい。行った場合はその概要を、行っていない場合はその理由を示されたい。

  右質問する。