質問主意書

第221回国会(特別会)

質問主意書

質問第七二号

高市内閣総理大臣等の個人アカウントからの政府情報の発信に係る公文書管理法の適用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和八年七月十三日

石垣 のりこ


       参議院議長 関口 昌一 殿



   高市内閣総理大臣等の個人アカウントからの政府情報の発信に係る公文書管理法の適用に関する質問主意書

 近年、内閣総理大臣等の政府の役職にある者がX等のSNSを活用し、政府の政策、行政運営を始めとする政府の活動について積極的に情報発信を行っている。令和八年七月七日公開の朝日新聞ウェブサイトは、高市早苗内閣総理大臣による個人のSNSアカウントからの投稿(以下「当該投稿」という。)について、公文書等の管理に関する法律(平成二十一年法律第六十六号。以下「公文書管理法」という。)上の行政文書には当たらないと報じている。

 国民にとって、当該投稿が個人アカウントからの投稿か政府公式アカウントからの投稿かを明確に区別することは容易ではない。内閣総理大臣の職にある者が政府の政策や行政運営について発信すれば、通常、政府の公式な説明又は見解と受け止めると考える。

 政府の活動について情報発信するに当たっては、その正確性を確保するため、事実関係等の確認を行うことが適切であると考える。そのような確認を行っている場合は、その過程で作成又は取得された文書等の公文書管理法上の取扱いを明らかにする必要がある。また、公務員が職務として撮影した写真等の職務上作成又は取得した成果物が当該投稿に利用されていた場合、公務上の成果物を個人の情報発信に利用することとなり、公私の区別が不明確であるとの指摘もあり得る。政府の活動に関する誤った情報が発信され、それを信頼した国民が損害を被った場合に備え、その責任の所在や法的取扱いについても整理しておく必要がある。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 当該投稿の内容について行政機関は事実関係等を確認しているのか示されたい。確認している場合、その過程で作成又は取得した電子メール、チャット、修正文案、説明資料等の記録は、公文書管理法上の行政文書として作成又は保存しているのか示されたい。確認していない場合、その理由とともに、行政機関による確認を経ることなく政府の活動に関する情報を発信することが適切であると考える理由を示されたい。

二 政府は、当該投稿を政府の公式な説明又は見解として位置付けているのか示されたい。位置付けていない場合、国民が当該投稿を政府の公式な情報と受け止め、誤認又は混乱が生ずるおそれがあると考えるが、政府の見解を示されたい。

三 当該投稿の内容に誤りがあり、これを信頼した国民が損害を被った場合、一般論として、当該投稿は国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)上の公務員の職務行為に該当するのか、政府の見解を示されたい。

四 当該投稿に掲載されている写真について、公務員が職務として撮影した写真が使用されている事例はあるのか示されたい。また、公務員が職務として撮影した写真を個人アカウントからの投稿で使用することについて、ルールは定められているのか示されたい。

五 公務員が職務として撮影した写真を当該投稿に掲載することは、公務上作成された成果物を個人の情報発信に利用するものであり、公私混同との批判を招きかねないと考えるが、政府の見解を示されたい。また、掲載した写真の提供及び使用に関する記録を作成又は保存しているのか示されたい。

六 今後、大臣、副大臣及び大臣政務官それぞれの役職に対応した政府公式のSNSアカウントを新たに整備し、政府の活動に関する情報発信は原則として同アカウントから行う考えはあるか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。