第221回国会(特別会)
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質問第六九号 生活保護における障害者加算に係る精神障害者保健福祉手帳の取扱いに関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和八年七月七日 打越 さく良
参議院議長 関口 昌一 殿 生活保護における障害者加算に係る精神障害者保健福祉手帳の取扱いに関する質問主意書 生活保護における障害者加算の認定は、「生活保護法による保護の基準」(昭和三十八年四月一日厚生省告示第百五十八号。以下「告示」という。)第二章の二の(二)の規定に基づき行われる。身体障害については、「身体障害者福祉法施行規則」(昭和二十五年厚生省令第十五号)別表第五号の身体障害者障害程度等級表に定める等級又は「国民年金法施行令」(昭和三十四年政令第百八十四号)別表に定める障害の程度に該当する場合に障害者加算が認定される。身体障害者障害程度等級表と身体障害者手帳の等級は一致しているため、身体障害者手帳の等級により障害者加算の認定が可能である。 一方、精神障害については、告示に精神障害者保健福祉手帳(以下「精神障害者手帳」という。)の等級に係る記載はなく、国民年金法施行令別表に定める障害の程度に該当する場合に障害者加算が認定される。「生活保護法による保護における障害者加算等の認定について」(昭和四十年五月十四日社保第二八四号。以下「昭和四十年通知」という。)及び「精神障害者保健福祉手帳による障害者加算の障害の程度の判定について」(平成七年九月二十七日社援保第二一八号。以下「平成七年通知」という。)においては、障害基礎年金の裁定が行われるまでの間は、精神障害者手帳に記載する障害の程度に基づき暫定的に障害者加算を認定できるとしている。しかし、昭和四十年通知においては、障害基礎年金の支給要件に該当しない旨の裁定又は認定がされた場合には、障害者加算の認定を取り消すものとされている。この場合、自治体は、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第六十三条に基づき、既に支給された費用の返還を求める決定を行うことがある。 また、障害者加算の認定に当たり、障害基礎年金の受給権を有する者が不利益を被る構造となっている。障害基礎年金の受給権を有しない者については、「生活保護法による保護の実施要領について」(昭和三十八年四月一日社発第二四六号)第七の二の(二)のエの(イ)及び「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」(昭和三十八年四月一日社保第三四号)第七の問六十五において、障害の程度の判定は「障害の程度が確認できる書類」に基づき行うこととされ、同書類には精神障害者手帳が含まれるとされている。この場合、「同手帳の一級に該当する障害は国民年金法施行令(略)別表に定める一級の障害と、同手帳の二級に該当する障害は同別表に定める二級の障害とそれぞれ認定するものとする」とされている。 つまり、障害者加算について、同じ精神障害を抱え同じ精神障害者手帳を持つ者でも、障害基礎年金の受給権を有する者は、障害基礎年金の裁定が優先され、かつ、精神障害者手帳に基づく認定が取り消される可能性がある。それに対し、障害基礎年金の受給権を有しない者は、精神障害者手帳に基づく認定が確定する。 内閣府が実施した令和六年地方分権改革に関する提案募集においては、複数の自治体が共同で、「精神障害を有する生活保護受給者に対する障害者加算の認定方法の統一」を提案事項として提出している。同提案事項では、「精神障害については、障害年金の裁定請求権を有しない者の方が、障害者加算の認定を受けるのに有利な状況となっており、生活保護制度上、公平な取扱いが行われているとは言いがた」く、「同じ精神障害者であっても、障害年金の裁定請求権の有無に伴い、最終的な障害の程度の判定を、精神障害者保健福祉手帳の等級又は障害年金の等級(障害年金の裁定結果)のいずれかで行うこととなり、認定処理事務が複雑」になっているとしている。また、「生活保護費に過支給が生じる可能性もあり、過支給額の返納(返還)に関する新たな事務処理が発生する懸念がある」とし、「障害年金の裁定請求権の有無にかかわらず、精神障害者保健福祉手帳で障害者加算の認定を行えるよう改正を求める」としている。 以上を踏まえて、以下質問する。 一 生活保護における障害者加算の認定に際して、平成七年の精神障害者手帳の導入から現在に至るまで、精神障害者手帳の等級に基づく障害者加算の認定に係る規定を告示に加えていない理由を示されたい。 二 身体障害については、身体障害者手帳の等級又は身体障害者障害程度等級表に定める等級に該当する場合には、障害者加算を認定できることとなっている。これに対して、精神障害については、昭和四十年通知及び平成七年通知により精神障害者手帳の等級ではなく障害基礎年金の裁定が優先されている理由を示されたい。 三 前記二において、障害者加算の認定に係る取扱いが、身体障害者手帳と精神障害者手帳の間で異なる理由を示されたい。また、身体障害者手帳と精神障害者手帳の取扱いを比較した場合、精神障害者を差別した取扱いとなっていると思料するが、政府の見解を示されたい。 四 前記の提案事項について、提案団体及び追加共同提案団体の自治体名を示されたい。また、それぞれが提案された年月日を示されたい。 五 現行制度において、障害基礎年金の受給権を有しない者は精神障害者手帳により障害者加算の認定を受ける。一方、受給権を有する者は、障害基礎年金の裁定次第で障害者加算の認定取消しが行われ、自治体から過大支給として返還を求められる事態が発生している。障害基礎年金の受給権を有する者が逆に不利益を被る現状について、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |