第118回(特別)国会
平成2年3月7日
参議院本会議
近時、法秩序を無視して直接行動に訴えるがごとき危険な暴力行為の傾向が著しく台頭してきている。こうした風潮は、憲法の保障する自由と民主主義の原則に照らして憂慮にたえない。
殊に、言論及び政治活動の自由は公正な社会生活を確立する上で最も重要な基本的権利であり、これを暴力により封殺することは正に民主主義に対する挑戦であって断じて容認できない。特に最近頻発する問答無用といったテロ行為は、国の内外に対し深刻な衝撃を与えた不祥事として誠に遺憾である。この際、テロの実態と背景を徹底的に調査し、その根源を速やかに一掃することは、法治国家として喫緊の課題である。
本院は、かかる事態にかんがみ、ここに、暴力が自由と民主主義の最大の敵であることを改めて表明するとともに、政府に対しては、言論の自由を保障し、あらゆる暴力の根絶を図り、遵法精神の高揚に努め、もって社会秩序の維持に最善の努力を尽くし、国民の不安を除去するよう、強く要請する。
右決議する。