1. トップ >
  2. ライブラリー>
  3. 資料集>
  4. 第1回国会から第163回国会までの本会議決議一覧>
  5. 第三回国際連合軍縮特別総会に関する決議

ライブラリー

参議院本会議決議本文

第112回国会

昭和63年5月25日 
参議院本会議 

第三回国際連合軍縮特別総会に関する決議

 米ソ両国により、中距離核戦力全廃条約が署名され、更に両国の間で戦略核兵器の大幅削減を目指す交渉が進められていることは、核軍縮の促進のために明るい展望を開くものであり、今や全面完全軍縮なかんずく核兵器の廃絶という人類共通の究極の目標に対する期待には大なるものがある。
 このような時に、本年、第三回国際連合軍縮特別総会が開催され、世界的規模で軍縮問題が討議されることは誠に意義深い。世界の恒久平和、特に、広島、長崎の惨禍が再び繰り返されないことを願い、非核三原則を国是として堅持する我が国国民の軍縮特別総会に寄せる期待にも誠に強いものがある。
 ついてはこの際、本院は、この総会において軍縮を一層促進させるため、政府が左の事項につき誠実に努力するよう要請する。
一 世界の平和と安全に特別の責任を有する米ソ両国に対し、戦略核兵器大幅削減の実現のために一層の努力を傾けるよう強く訴えること。
二 全面完全軍縮を目指す一環として、国家間の相互不信を除去または低減する努力を行うとともに、すべての核兵器保有国に対し、検証制度を伴つた核軍縮の実効ある措置をとるよう強く訴えること。
三 世界で唯一の被爆国日本の立場から、地下核実験を含む核実験全面禁止条約の早期締結を要請するとともに、核兵器不拡散条約未加盟国に対しては、同条約への早期加盟を勧奨すること。また、すべての国に対して、化学兵器全廃のための国際条約が早期に締結されるよう呼びかけること。
四 非核武装地帯構想は、核拡散の防止ひいては世界の平和の維持に重要な意義を有していることにかんがみ、適切な条件の整つている地域に非核武装地帯の設置が実現するよう国際的努力をすること。
五 際限のない軍備の増強は当事国にとつても国際社会にとつても看過し得ない問題である。よつて通常兵器の分野も含め軍備を必要最小限度にとどめるよう各国に強く訴えるとともに、広く世界の経済的社会的発展が推進されるよう呼びかけること。
 右決議する。