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参議院本会議決議本文

第91回国会

昭和55年4月23日 
参議院本会議 

食糧自給力強化に関する決議

 現下、わが国の農業・漁業は極めて厳しい情勢にある。
 即ち、国民食生活の多様化等により食糧の需給に不均衡を生じ、その対応のため水田転作が実施されつつあるが、生産農家は厳しい試練に立ち向つている。
 一方、海外からの飼料用穀物等の農畜産物の輸入増加に伴い、食糧自給度は、近年低下傾向にあるが、八〇年代における世界の食糧需給の動向は、人口の増加、生活水準の向上、さらには食糧が外交手段に用いられる等、一段と不安定要因が増大し、わが国の食糧需給に強く影響することが憂慮される。
 また、漁業においても二百海里時代に入り、水産物の生産と供給の確保について厳しい対応を迫られている。
 かかる困難な情勢の下にあつて、先進諸国に較べ低位にあるわが国の食糧自給力の向上を図り、国民食糧を安定的に供給することは、将に国政上の基本的且つ緊急の課題である。
 よつて政府は、国民生活の安全保障体制として食糧自給力の強化を図り、わが国農業・漁業の発展と生産力の増強に万全の施策を講ずるべきである。
 右決議する。