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参議院本会議決議本文

第84回国会

昭和53年5月24日 
参議院本会議 

国際連合軍縮特別総会に関する決議

 広島、長崎に原爆が投下されてより、すでに三十三年を経過し、その間あらゆる機会を通じ核兵器の廃絶を訴え続けてきた日本国民の努力にもかかわらず、現在、核兵器を中心とする果てしない軍拡競争が展開されている。このような国際情勢の中で、本年五月国際連合軍縮特別総会が開催されることは意義深いものである。
 よつてこの際、本院は、左のように決議する。
一 人類共通の崇高な目標である世界恒久平和と安全に到達するために全面完全軍縮をめざしつつ、今次総会において核兵器の窮極的廃絶、生物・化学兵器の禁止について、国際的合意に達するよう強く訴える。
一 我が国は、唯一の被爆国であり、非核三原則を国是として堅持するものである。よつて、特に核兵器不拡散条約を真に実効あらしめるために、すべての核兵器国に対し、地下核実験を含めた包括的核実験禁止条約の早期締結及び核兵器の削減並びに核兵器が二度と使われないよう要請するとともに、同条約未加盟国の加盟について強く訴える。
一 非核武装地帯構想が、世界の平和の維持に重要な意義を有していることにかんがみ、適切な条件の整つている地域から、漸次世界の各地域に非核武装地帯の設置が実現するよう国際的努力を要請するとともに、同地帯に核保有国による核攻撃が行われない保証を求める。
一 際限のない軍備の増強は、現在の国際社会にとつて看過し得ない問題であり、通常兵器の国際的移転の規制、軍事費の削減を各国に強く訴える。
一 政府は、右各項目を尊重して、その実現に努力すること。