第40回国会
昭和37年5月6日
参議院本会議
近畿は、西日本経済の中枢であり、広くわが国産業活動の枢要な一翼をになつて、経済の進展にきわめて大きな役割を演じている。ことに、これが中核たる阪神工業地帯は、近年来、わが国経済の伸長発展とともに、ますますその重要性を加えている。
他方、近畿圏一円の外郭諸地域は、今なお多くの低開発地域をかかえ、これが開発活用について、積極的建設の方途が講ぜられていないことは、まことに遺憾とするところである。
更にまた、古来わが国文化の中心たる京都・奈良・滋賀・和歌山等文化観光都市等の整備と、これを中心とする近畿観光圏の総合的開発についても、緊急の施策を必要とするものである。したがつて阪神工業地帯の健全にして秩序ある発展を図り、これを中軸として周辺地域の一体的開発を行ない、広域経済文化圏としての近畿圏の建設を促進することは、本地方における産業文化の助長振興と住民の福祉増進をもたらすのみならず、広くわが国経済民生の発展向上に寄与するところ、けだしきわめて大なるものがあると確信する。
よつて政府は、叙上の趣旨にかんがみ、この際、すみやかに近畿圏整備に関する画期的方策を確立し、これが強力な実施推進を図るため、行・財政上必要な立法その他特段の措置を講じ、もつて施策の万全を期すべきである。
右決議する。