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参議院本会議決議本文

第26回国会

昭和32年3月15日 
参議院本会議 

原水爆の禁止に関する決議

 本院はさきに「原子力国際管理並びに原子兵器禁止に関する決議」及び「原水爆の実験禁止に関する決議」を行い、国際連合並びに関係各国の善処を要請したが、原子力の国際管理に関する適切なる措置はいまだに講ぜられていないのみならず、原水爆の実験は、あるいは無警告に、あるいは予告を伴いつつも、なお依然として続行されており、近くは、英国政府が日本政府の再三の要請にもかかわらずクリスマス島周辺において新たなる実験を実施せんとしていることは、はなはだ遺憾にたえない。
 本院は、原子力の利用を専ら平和的目的に限定し、今後原水爆の製造、使用及び実験を一切禁止するため、国際連合並びに関係各国が速やかに有効適切な措置を講ずることを重ねて要望するとともに、事態をこのままに放置するときは、放射能物質が人類の生命に救い難い危険を生ずる程度にまで達することを憂え、英国、ソ連及び米国に対し深甚な反省を求め、予告の有無にかかわりなく、現に計画中の原水爆実験を中止せんことを要請するものである。
  右決議する。