第13回国会
昭和27年7月9日
参議院本会議
平和条約の発効によりわが国が国際社会に復帰するに到つた現在なお多数同胞がソ連及び中共等の地域に抑留せられたままその引揚が中断の状態にあることはまことに遺憾の極みである。
遠く異国に苦難の日を送る人々と焦慮のうちにその帰還を待ちわびる留守家族に思を到せば全国民の心は深き憂慮に暗澹たらざるを得ない。
本院は広く世界の与論に訴え国を挙げての強力なる推進の下に在外同胞引揚の促進を図るとともに留守家族に対してなお万全の対策を樹立して援護の実を挙げんことを決意するものである。
政府は速やかに本問題の解決に積極的対策を樹立しこれが実施について有効適切な方途を講ずべきである。
右決議する。