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参議院本会議決議本文

第13回国会

昭和27年7月5日 
参議院本会議 

アジア諸国との友好促進に関する決議

 さきにサンフランシスコ会議において、パキスタン、セイロン等の自由アジア諸国は、対日講和に関して寛大公正な態度を示して、わが国に対し積極的に親善友好の手を差しのべてくれた。
 又かねてアジアの自主的な立場を強く主張するインドは、サンフランシスコ条約に比べて、一層公正で平等な平和条約をわが国との間に結ぶことによつて、日本に対し友好の至情を披瀝してくれた。
 よつて参議院はこの際、次の通り決議する。
 一、本院は以上のような自由アジア諸国のわが国に対する友好的な態度に対し、国民に代つて深く謝意を表するとともに、これら諸国を始めとし、自由アジアのすべての国との友好親善関係を強化する意思を表明する。
 二、政府は宜しくこれを契機として、インドネシア、フイリピンの平和条約批准を促すとともに、ビルマとの講和問題のすみやかな解決を図り、また韓国との友好関係の確立に努力すべきである。
 三、政府はさきにサンフランシスコ条約の発効に際する国会決議の趣旨を体して、領土問題の公正な解決に向つて適切な措置を講ずべきである。