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参議院本会議決議本文

第7回国会

昭和25年5月1日 
参議院本会議 

義務教育費確保に関する決議

 義務教育の完全実施は、憲法上の義務に基くものであり、平和国家再建のための根幹国策である。本院が、第五国会において、六・三制教育制度完全実施に関する決議を、全員一致可決し、政府を督励鞭撻したのも、この趣旨からである。
 しかるに、六・三制実施に必要な予算の計上も極めて不充分であり、右の決議も未だその成果を期待し得ず、義務教育費確保の完全保障が困難な状況にあることは、まことに遺憾である。かくては、教育の機会均等の理想は実現されず、教育界に多大の不安と動揺を招来し、ために、六・三制教育に暗影を投ずることは、火を見るよりも明らかである。
 この事態に対処し、政府は速かに、憲法に規定する教育の機会均等と義務教育無償の原則に基き、少くとも最低の義務教育費を確保するために、万全の措置を講ずべきである。
 右決議する。