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参議院本会議決議本文

第7回国会

昭和25年4月28日 
参議院本会議 

中日貿易促進に関する決議

 戦前の正常期において、わが国貿易総額の六割五分を占めていたアジア貿易、特にその過半を占めた中国との貿易再開は、米国の援助が漸減されようとするわが国経済にとつて重大な問題である。
 依然として不振を続ける貿易と深刻化する国内不況の根本的打開策として、産業界も貿易界も一般国民も新中国との直接貿易の緊急な再開を強く要望している。
 英国、印度、スエーデン、ソ連等世界の十数ケ国が既に新中国政府を承認し、更に国連の承認を通じて米国の承認もそう遠い将来ではないと予想される。
 政府は、日本の生存に絶対に欠くことのできない貿易振興の一環として、政治問題やイデオロギーの問題を離れ、純経済的観点から、新中国と相互に経済使節を交換し、早急に直接貿易を再開するよう積極的方策の確立、実行に関し万全を期すべきである。
 右決議する。