第6回(臨時)国会
昭和24年11月30日
参議院本会議
既往四ヶ年にわたつて、在外同胞の引揚実施につき、連合国の好意を衷心より感謝する。
ポツダム宣言受諾以来、われわれが誠実にその実行に努めたことは、本年五月二日、連合軍最高司令官マツカーサー元帥の声明によつて明らかなところである。
しかるに、ポツダム宣言第九条に宣明された捕虜並びに一般抑留同胞の本国送還の一部が未完了であり、抑留中における死亡者の氏名並びに戦犯関係抑留者の氏名のうちに、未発表の部分があることは、誠に遺憾にたえない。このため、その家族はもとより全国民の焦慮は今や絶頂に達している。われわれはここに四度、更めて連合国にこれら未完了部分の速かなる発表と、生存者の本国送還を懇請すると共に、国内における可能且最大限の調査及び遺族留守家族に対する援護を徹底させることを期する。
政府はこれがため慎重且果断なる措置をとることを躊躇してはならない。
右決議する。