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参議院本会議決議本文

第6回(臨時)国会

昭和24年11月28日 
参議院本会議 

科学技術振興に関する決議

 科学及び技術の振興は国家の文化的任務及び国民生活の向上の見地よりする当然の要請たるのみならず、延いては世界の文化の発達と人類の福祉に貢献し、以て平和愛好諸国民の信頼を得る所以である。然るにこの点に関する我が国の実情を見るに、先に湯川秀樹博士が中間子論の研究によつて、ノーベル賞を授与せられ、我が斯学界の名声を世界に高揚したことは、国民として慶賀の至りに堪えないところであるが、一般的には、学者の待遇の不充分、研究施設の不備、研究費の不足等のために、未だ甚だ遺憾な状態にある。
 かような現状に鑑み、我々は政府が万難を排して科学技術振興に最善の努力を傾注し、とくにそれに必要な予算的措置を講ずることを要望する。
 右決議する。