質問主意書

第210回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一〇第三一号
  令和四年十一月十五日
内閣総理大臣臨時代理        
国務大臣 松野 博一


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員浜田聡君提出文部科学省が医学部、歯学部、薬学部、看護学部を設置する大学に対し、HPVワクチンや新型コロナウイルスに係るワクチン接種に反対する団体を招いて授業を行うよう要請していることに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出文部科学省が医学部、歯学部、薬学部、看護学部を設置する大学に対し、HPVワクチンや新型コロナウイルスに係るワクチン接種に反対する団体を招いて授業を行うよう要請していることに関する質問に対する答弁書

一について

 一般に、国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)上の国の賠償責任の有無については、裁判所において、個別具体に判断されるものと考えられ、政府としてお答えすることは差し控えたい。

二について

 前段のお尋ねについては、新型コロナウイルス感染症に係る予防接種(以下「新型コロナ予防接種」という。)については、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、新型コロナウイルス感染症のまん延の状況や新型コロナ予防接種の有効性及び安全性に関する情報等を踏まえた議論を経た上で、その対象者等を決定しており、お尋ねの「生後六か月から四歳の子供」、「五歳から十一歳までの子供」及び「十二歳から十七歳までの子供」についても、同分科会において、これらの者に対する新型コロナ予防接種の有効性及び安全性が確認されたこと等を踏まえ、新型コロナ予防接種の対象としているところである。

 後段のお尋ねについては、「医学部、歯学部、薬学部、看護学部等における薬害問題に対する取組状況調査結果について(通知)」(令和四年九月五日付け四高医教第十二号文部科学省高等教育局医学教育課長通知。以下「通知」という。)における「授業」は、薬害の実態や原因はもとより、現在までの薬害被害者やその家族への対応状況及び差別や偏見などの人権問題も含めて学ぶことにより、薬害を繰り返さないために実施するものであり、これを充実したものとするためには、薬害被害者やその家族の意見や体験等を直接聞く機会を設けることが重要であると考えているところ、このような「授業」を実施するために必要な講師の派遣を依頼する際の参考として、全国薬害被害者団体連絡協議会の担当窓口等を紹介したものである。

三について

 前段のお尋ねについては、御指摘の「「HPVワクチンは大規模な国際的薬害」であるとする主張や、「新型コロナワクチンによる・・・リスクとベネフィットが共に明らかではありません。」とする主張を紹介する授業」の意味するところが必ずしも明らかではないが、通知における「授業」は、二についての後段でお答えしたとおり、薬害の実態や原因はもとより、現在までの薬害被害者やその家族への対応状況及び差別や偏見などの人権問題も含めて学ぶことにより、薬害を繰り返さないために実施するものである。

 後段のお尋ねについては、「医療従事者が患者に対し、同様の主張を紹介すること」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。

四について

 前段のお尋ねについては、お尋ねの「医療従事者となった者が同様の主張を行うこと」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。

 後段のお尋ねについては、一般に、国家賠償法上の国の賠償責任の有無については、裁判所において、個別具体に判断されるものと考えられ、政府としてお答えすることは差し控えたい。

五について

 お尋ねの「医療従事者養成学部の授業内容」に関する事務については、文部科学省設置法(平成十一年法律第九十六号)第四条第一項第十五号から第十七号までの規定に基づき、文部科学省が所掌しているところ、当該事務は同省が所掌する大学の設置認可等に関すること並びに大学の入学者の選抜及び学位の授与に関することその他の大学に関する事務と密接に関連するものであること等から、引き続き同省が所掌することが適切であると考えている。