質問主意書

第210回国会(臨時会)

質問主意書

質問第四六号

御嶽山の国定公園、国立公園化に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年十一月二十九日

羽田 次郎


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   御嶽山の国定公園、国立公園化に関する質問主意書

 御嶽山(標高三千六十七メートル)は、本年六月十四日、環境省における国定公園の新規指定候補地の一つに選定され、中央環境審議会自然公園小委員会に報告された。

 御嶽山は、標高三千メートルを超える雄大な火山性独立峰で、山腹から山頂にかけて連続的に変化する希少な自然植生を持つ。古くから山岳信仰の山として自然と文化が融合した価値も高いことなど、我が国を代表する名峰である。一方で、二〇一四年の噴火によって死者・行方不明者合わせて六十三名と、戦後最悪の火山災害に見舞われ、いまだ、十分な復興が実現されず、周辺の観光業界は壊滅的な打撃を受けたままである。

 御嶽山は、標高三千メートルを超える山岳で、現在、国立・国定公園に指定されていない唯一の山である。現在は、長野県側では御岳県立公園(木曽町、王滝村、約一万八千八百ヘクタール)、岐阜県側では御嶽山自然県立公園(高山市、下呂市、約四千ヘクタール)にそれぞれ指定されているが、国定公園化により、御嶽山のブランド力が強化され、噴火災害からの復興を後押しするとともに、より厳格な保全が可能な「特別保護地区」の設定ができるなど、保護と利用の両面で一層の質の向上が期待される。

一 御嶽山が国定公園になる上で、今後改善しなくてはならない課題は何か、政府の見解如何。

二 御嶽山が国立公園を目指す上で、さらに改善すべきことは何か、政府の見解如何。

三 現在は、登山者は急な噴火に備えヘルメット持参で登っている。御嶽山の安全な利用のためには、噴火の際のシェルター(避難所)の設置など、国による施設の整備も必要と思われる。この点についての政府の見解如何。

四 御嶽山の水蒸気噴火の兆候を把握する観測体制は現在どのようになっているか、明らかにされたい。

  右質問する。