質問主意書

第205回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇五第一三号
  令和三年十月十五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員浜田聡君提出イベルメクチン耐性ヒゼンダニが出現した場合における対処法に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出イベルメクチン耐性ヒゼンダニが出現した場合における対処法に関する質問に対する答弁書

一の1について

 イベルメクチンについては、様々な研究論文が発表されており、新型コロナウイルス感染症の治療薬としての評価が定まっているものではないが、医師は、患者に適切な説明を行い、その理解を得るよう努めた上で、患者の状態、現在得られている医学的知見等を踏まえた専門的な判断により、個々の事例に則して適切に適応外使用(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「法」という。)第十四条第一項の規定による製造販売の承認を受けた医薬品の製造販売の承認外の効能、効果等を目的とする使用をいう。以下同じ。)を行うものと考えている。

一の2について

 お尋ねの「イベルメクチンを医師が処方した場合、現在、国民健康保険または社会保険の適用はされるのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、新型コロナウイルス感染症の治療における適応外使用に係る診療報酬請求書の審査については、厚生労働省から審査支払機関に対し、「新型コロナウイルス感染症の治療に際しての医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取扱いについて(依頼)」(令和二年四月九日付け厚生労働省保険局医療課事務連絡)を発出し、「診療報酬明細書の摘要欄に記載されている投与の理由(診療の手引き(※)、ガイドライン等における現時点での知見や治療上の有益性と危険性を考慮した上で慎重に使用の適否が判断されたことなど)等も参考に、個々の症例に応じて医学的に判断していただく」ようお願いしているところである。

二について

 欧州医薬品庁が、新型コロナウイルス感染症の予防又は治療を目的としたイベルメクチンの使用は現時点では管理された臨床試験での使用を除いて推奨されないこと等の見解を令和三年三月二十二日に公表した事実及び米国疾病予防管理センターが、現時点ではイベルメクチンの使用が新型コロナウイルス感染症を治療又は予防する手段であることは証明されていないことについて留意するべきであること等の見解を令和三年八月二十六日に公表した事実については、認識している。

三について

 法第十四条第一項の規定による製造販売の承認又は同条第十三項の規定による承認事項の一部変更承認(以下「承認等」という。)の申請に係る情報は、当該申請に係る医薬品を開発している企業の商業上の秘密に該当するため、個別の医薬品の承認等に係る状況については承認等をしていない理由も含めお答えすることは差し控えたいが、一般論としては、医薬品の承認等に当たっては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構において、当該医薬品の承認等を申請した企業から提出される臨床試験の結果等についての法第十四条の二第一項の規定に基づく審査が行われた上で、薬事・食品衛生審議会において、当該審査の結果に基づき、承認等の可否について議論されることとなる。

四について

 疥(かい)癬(せん)の治療については、公益社団法人日本皮膚科学会が編集した「疥癬診療ガイドライン(第三版)」において、疥癬の治療薬として「ペルメトリン」以外に、「フェノトリン」、「イオウ」、「有機イオウ」等が示されていると承知している。