質問主意書

第205回国会(臨時会)

質問主意書

質問第四八号

岸田政権の新型コロナウイルス感染症の第六波の対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十月十四日

小西 洋之


       参議院議長 山東 昭子 殿



   岸田政権の新型コロナウイルス感染症の第六波の対策に関する質問主意書

一 岸田政権は、新型コロナウイルス感染症の次の感染拡大(第六波)はいつ頃に生じると考えているのか。

二 第六波においては、本年四月以降にワクチン接種を受けた高齢者のワクチン抗体が減衰し、多数の高齢者が新型コロナウイルスに感染し、中等症や重症等に至るのではないかと危惧するが、政府もそのような認識にあるか。また、政府は何時頃から高齢者に対する第三回目のワクチン接種を開始するつもりであるのか。

三 岸田総理は、第三回目のワクチン接種を早ければ本年十二月から実施する旨を答弁しているが、この十二月の実施は、医療従事者及び高齢者の双方への接種を開始するものであるのか。あるいは、まずは医療従事者のみから接種していくものであるのか。

四 一般に冬は感染症の流行期であり、昨年も十二月に第三波の感染拡大が生じたところ、本年の十二月以降やそれ以降に高齢者に対して第三回目のワクチン接種を行うのであれば、第六波の感染拡大に間に合わず、多くの高齢者がデルタ株等の新型コロナウイルス感染症によって生命の危険にさらされるのではないか。

 また、この危険に対して、政府はどのようなワクチン政策によってこれを防ごうとしているのか。

五 岸田総理は、新型コロナウイルス感染症に対処する医療体制構築に係る第五波の課題について、「コロナ病床が十分に稼働しなかったことなど」としか所信表明演説に対する代表質問において述べていないが、この「など」には第五波が生じる前に大規模な軽症や中等症患者のための大規模な新設の臨時病院の設置などができなかったことは含まれるのか。

六 岸田総理の所信表明演説での「医療資源確保のための法改正」とは具体的にどのような内容を企図しているのか。また、この法改正によって、新型コロナウイルス感染症に対処するどのような医療の提供体制(大規模な新設の臨時病院等)を構築しようとしているのか。

七 前記六について、「医療資源確保のための法改正」は、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び感染症法における医療従事者等への協力要請等の措置では、新型コロナウイルス感染症に対処する適切な医療提供体制の構築が困難であるとの認識に基づくものであるのか。なお、そもそも、政府は新型インフルエンザ等対策特別措置法第三十一条に定める医療関係者への要請は新型コロナウイルス感染症に適用可能と考えているのか。

八 前記七に関して、政府は、我が国の医療界において、新型コロナウイルス感染症の軽症や中等症に対処する大規模な新設の臨時病院の設置が困難である理由、すなわち、特に、そこで医療に従事する医師や看護師の確保が困難な理由であるところの医療界の構造的な問題についてどのような認識にあるか。

九 政府は、国民皆保険制度の下では、新型コロナウイルス感染症であっても健康保険料を負担し、また、医療費に投入されている税金を負担している国民は適切な医療が受けられなければならないと考えているのか。もし、そのように考えているのであれば、健康保険法制との関係でも、新型コロナウイルス感染症のための医療体制の構築に必要な医師などの医療資源を有効に確保する方策を措置することを検討すべきではないか。

十 参議院内閣委員会での令和三年二月三日の新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議の「二十四 現下の新型コロナウイルス感染症の感染拡大までに生じた検査、保健所、医療の諸課題を分析し、今後の感染拡大を最大限に封じ込めるとともに再度の感染拡大が生じた場合に対応可能な検査、保健所、医療提供体制を計画的に確保するため、国としての基本的な方針を示すとともに都道府県等の計画的取組の実施状況を的確に把握し、地域における対策の実効性を確保するために徹底したPDCAサイクルに基づき必要な措置を講ずること。また、これらの国及び都道府県等の対策の実施状況について適時に公表すること。」は、第六波に対処する医療等の体制構築に当たっても極めて重要な意義を有すると考えるが政府はこの附帯決議の趣旨を尊重し、医療等の体制構築を行う考えにあるか。もし、本附帯決議の第六波の医療等の体制構築に際して、本附帯決議の内容に異議がある場合は具体的に示されたい。

  右質問する。