質問主意書

第205回国会(臨時会)

質問主意書

質問第四二号

岸田政権における昭和四十七年政府見解の中の「外国の武力攻撃」の文言の理解等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十月十四日

小西 洋之


       参議院議長 山東 昭子 殿



   岸田政権における昭和四十七年政府見解の中の「外国の武力攻撃」の文言の理解等に関する質問主意書

一 いわゆる昭和四十七年政府見解の中の「外国の武力攻撃」の文言について、平成二十七年三月二十四日の参議院外交防衛委員会における「昭和四十七年政府見解にある、「あくまで外国の武力攻撃によって」という文言における外国の武力攻撃とは、我が国に対する外国の武力攻撃以外の我が国以外の他国に対する外国の武力攻撃も概念的に含まれているんでしょうか。明確に答弁ください。」との私の質問に対して、横畠内閣法制局長官は「「外国の武力攻撃によって国民」、これはもとより我が国の国民を指すと理解しますが、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態」という部分そのものは、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限定されているものではないと解しております。」と答弁しているが、岸田政権においてもこの安倍政権下の答弁を政府答弁として維持しているかどうかについて示されたい。

 また、政府答弁として維持している場合は、岸田政権においてこの「外国の武力攻撃」の文言の意味について「我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限定されているものではない」と理解する理由について示されたい。

二 いわゆる昭和四十七年政府見解の中の「外国の武力攻撃」の文言について、平成二十七年三月二十四日の参議院外交防衛委員会における「では、要するに、今私が申し上げたような同盟国、我が国でない他国に対する外国の武力攻撃ということもここに概念的に含まれるというふうに考え出したのは、横畠長官、あなたが初めての法制局長官ということでよろしいですね。」との私の質問に対して、横畠内閣法制局長官は「同様に考えていた者がいたかどうかは存じませんが、この昭和四十七年の政府見解そのものの組立てから、そのような解釈、理解ができるということでございます。」と答弁しているが、岸田政権においてもこの安倍政権下の答弁を政府答弁として維持しているかどうかについて示されたい。

 また、政府答弁として維持している場合は、岸田政権においてこの「外国の武力攻撃」の文言の意味について「そのような解釈、理解ができる」とする理由について示されたい。

三 横畠内閣法制局長官は、平成二十七年六月十一日の参議院外交防衛委員会における限定的な集団的自衛権行使を容認する法理、すなわち、七月一日の閣議決定で示している政府の憲法第九条解釈の「基本的な論理」に関する私の「四十七年見解を作ったときに今お認めになった限定的な集団的自衛権行使を容認する法理が含まれていたんだと、作ったときにですね、そういう理解でよろしいですか。」との質問に対して、「昭和四十七年当時の担当者の具体的な意識、認識は、先ほどお答え申し上げたとおり、そのような事態というのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるという事実認識に立っていたわけでございますので、当時、明確に限定的な集団的自衛権の行使というものがこれに当てはまるという認識はなかったと思いますが、法理といたしましてはまさに当時から含まれている、それは変えない、変わらないということでございます。」と答弁しているが、この横畠内閣法制局長官の答弁は岸田政権でも維持されているのか。

四 横畠内閣法制局長官は、平成二十七年八月三日の参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会における限定的な集団的自衛権行使を容認する法理、すなわち、七月一日の閣議決定で示している政府の憲法第九条解釈の「基本的な論理」に関する私の「先ほどの大臣にお読みいただきました七月一日の閣議決定の下の(二)番ですね、皆様に確認していただきました。あそこに書かれている基本的な論理ですね、七月一日の閣議決定。それが昭和四十七年政府見解にも書かれている。その基本的な論理について、この四名の頭の中にあって、それが昭和四十七年政府見解の中に当時書き込まれたというふうな答弁をなさっているという理解でよろしいですか。」との質問に対して、「まさに昭和四十七年当時におきましては、その昭和四十七年見解の結論で述べておりますとおり、個別的自衛権といいますか、我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみが、ここに言う外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に当たるのだという、そういう事実認識の下で昭和四十七年見解が作成されているわけでございますけれども、その前提となっている、すなわち憲法第九条の下でもなぜ我が国として武力の行使ができるのかというその基本的な論理の部分は、まさにこの基本的論理、この四十七年見解で示された基本的な論理であるという、そういう考え方を当時の担当者は皆持っていたということであろうというお答えをしているわけでございます。」と答弁しているが、この横畠内閣法制局長官の答弁は岸田政権でも維持されているのか。

  右質問する。