質問主意書

第205回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一六号

国がお墨付きを与えた西武信用金庫による不正融資に対する国土交通省の調査姿勢に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十月五日

浜田 聡


       参議院議長 山東 昭子 殿



   国がお墨付きを与えた西武信用金庫による不正融資に対する国土交通省の調査姿勢に関する質問主意書

 第二百一回国会に提出した「国がお墨付きを与えた西武信用金庫による不正融資に対する政府の調査姿勢に関する質問主意書」(第二百一回国会質問第一五〇号)に対する答弁書(内閣参質二〇一第一五〇号)において、国土交通省が不正内容の公表を拒む理由について、「本件に関与した不動産鑑定士等の調査については、個別の事案に関することであり、また、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい」との答弁があった。

 二〇一九年五月二十四日、関東財務局が西武信用金庫に対して発した業務改善命令において「投資目的の賃貸用不動産向け融資について、融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合には適切な見積りが不可欠である中、経済的耐用年数等を証する書面を作成する外部専門家に対し、金庫職員が耐用年数や修繕費用等を指示・示唆するなどの不適切な行為が多数認められる」と明確に記載されている。さらに、行政文書「関財審業第三十三号」により金融庁は二〇一八年十月二十二日時点で既に二百五十八物件において不正の事実の詳細を具体的に把握していたことが明らかとなっている。

 以上を踏まえ、以下質問する。

一 措置要求が目的に沿って運用されているのかを確認するため、二〇一八年一月以降現在まで、月単位での措置要求の受理件数と審査結果を明らかにされたい。

二 業務改善命令発令によって不正に関与したことが明らかとなっている不動産鑑定士の行為を国土交通省が看過している理由を明らかにされたい。

三 経済的耐用年数を証する書面を作成する外部専門家には不動産鑑定士が含まれる。不動産の鑑定評価に関する法律第四十二条によれば「不動産鑑定士が不当な鑑定評価等を行つたことを疑うに足りる事実があるときは、何人も、国土交通大臣又は当該不動産鑑定士がその業務に従事する不動産鑑定業者が登録を受けた都道府県知事に対し、資料を添えてその事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる」という、いわゆる「措置要求」の条文がある。しかし、この制度は被害者救済のためのものではないだけでなく、免許権者である国土交通省が不動産鑑定士の不正の審査を非公開で行い、処分が下されない限り何も公表されないものとなっており、制度上大きな欠陥があると考えるが、政府の見解如何。

 また、国土交通省が運用している「ネガティブ情報等検索サイト」で確認する限り、二〇二一年十月三日現在、何らかの理由で処分を受けている不動産鑑定士は一人しかいない。この措置要求制度は果たして機能しているのか。政府の見解如何。

 なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。