質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第六九号
  令和三年五月二十一日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員伊藤孝恵君提出官僚の働き方改革に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員伊藤孝恵君提出官僚の働き方改革に関する質問に対する答弁書

一の1について

 お尋ねの「テレワーク実施率」の意味するところが必ずしも明らかではないが、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室及び内閣官房内閣人事局が実施した令和元年度の国家公務員のテレワークの実績等に関する調査(以下「実績調査」という。)において、各府省等におけるテレワーク実施人数の職員数に占める割合、実施頻度等のテレワークの実績等についても調査を行い、その結果については、「二千十九年度(令和元年度)国家公務員テレワーク実績等の結果」(以下「実績調査結果」という。)に公表しているとおりである。なお、実績調査結果は政府CIOポータル及び内閣官房内閣人事局ホームページに掲載しているところである。

一の2について

 実績調査結果において、各府省等のテレワーク実施人数の職員数に占める割合等に「バラつき」があることについては、各府省等により業務内容等が異なるため、一概に見解をお示しすることは困難である。

一の3について

 政府としては、「国家公務員テレワーク・ロードマップ」(平成二十七年一月二十一日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定、令和三年三月三十日改定)において、令和七年度までに、「テレワークを活用することで、「新しい日常」に対応し、いかなる環境下においても必要な公務サービスを提供できる体制を整備する」ことを目標に、テレワーク機器の整備やテレワーク時の職員のマネジメントの改善を始めとする取組を含む各府省等におけるテレワーク推進計画を令和三年度前半までに策定し、取組を推進することとしている。

一の4について

 政府においては、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和二年三月二十八日新型コロナウイルス感染症対策本部決定、令和三年五月十四日変更)に基づく、各府省等における「在宅勤務(テレワーク)の活用や休暇取得の促進等」の出勤の回避の状況について、適切に公表することを予定している。

二の1について

 お尋ねの「ウェブ会議の導入・推進状況」の意味するところが必ずしも明らかではないが、実績調査において、各府省等におけるウェブ会議の可否、必要な機器等の有無等についても調査を行い、その結果を実績調査結果に公表している。

二の2及び三の2について

 御指摘の「ウェブ会議の導入・推進」及び「業務端末、LAN環境」については、「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」(令和二年七月十七日閣議決定)において、「国の行政機関に関しては、テレワークに必要な機器や、ネットワークのキャパシティ等が、テレワークを原則的な働き方とする場面に対応しきれていないという課題があるほか、Web会議環境に関し、各府省庁において縦割りのLAN環境が構築されていることにより、府省庁間や、民間企業・地方公共団体とのWeb会議サービスの接続が困難」であったと整理している。

 これを踏まえ、政府としては、令和二年度一般会計補正予算(第二号)において、新型コロナウイルス感染症やその他感染症の拡大、災害などの非常時に際しても、行政が常に適切な機能を発揮できるためのネットワーク環境の整理・再構築に向けた整備を行うための経費を計上し、各府省等が機密性に配慮した上で利用できるウェブ会議システムの整備等を進めたところである。

 今後は、「デジタル・ガバメント実行計画」(令和二年十二月二十五日閣議決定)において、「行政の情報システム及びネットワークのうち、特に、基盤となるネットワーク環境について、クラウドサービス利用の本格化を踏まえ、行政全体の最適化や利便性とセキュリティの両立を前提に検討を進め、その整理・再構築に向けた取組を進める」としているところである。

三の1について

 お尋ねの「業務端末、LAN環境などについて、各府省庁の状況」の意味するところが必ずしも明らかではないが、実績調査において、各府省等における席上端末の持ち帰りの可否、貸出端末の有無等のテレワークに係るITシステム面の取組の現状について調査を行い、その結果を実績調査結果に公表している。

四について

 御指摘の「霞が関における適切な人員配置や長時間労働」の具体的に意味するところが明らかではないため、御指摘の「昨今の内閣提出法律案等に関するミス」との関係をお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、政府としては、実効性のある再発防止策を検討するに当たり、勤務体制も含めて、原因を究明し分析することは不可欠であると考えており、必要に応じ、法案作成部局の体制を強化するといったことも含め、取組を進めてまいりたい。

五について

 国家公務員については、若年層の長時間労働を是正するとともに、全ての職員がやりがいを持ってその能力を存分に発揮できるよう働き方改革を推進していくことが急務であり、そうした観点からも、高齢期の職員にしっかりと働いていただくことが必要であると認識している。

 政府としては、こうした認識の下、国家公務員の定年引上げ等を内容とする国家公務員法等の一部を改正する法律案を今国会に提出したところである。