質問主意書

第201回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇一第一三一号
  令和二年六月五日
内閣総理大臣 安倍 晋三


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員吉川沙織君提出地方公共団体に対する計画等の策定の義務付けに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員吉川沙織君提出地方公共団体に対する計画等の策定の義務付けに関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「計画等の策定を義務付ける規定」、「計画等の策定を「できる」とする規定」及び「計画等の策定を努力義務とする規定」の件数等については把握していないが、今後、その件数等の把握について検討してまいりたい。

二について

 地方公共団体に対する計画等の策定の義務付け等については、例えば、令和二年五月十九日に開催された国と地方の協議の場において、地方六団体から、「地方団体に対して新たな計画の策定・・・等を・・・実質的に全国一律に義務付けている例が見られる」との認識が示されていることは承知しているが、お尋ねの「実態」については網羅的には把握していない。

三について

 「地方分権改革推進計画」(平成二十一年十二月十五日閣議決定)において、御指摘の「義務付け・枠付けに関する原則」は明記していないが、「地域主権推進大綱」(平成二十四年十一月三十日閣議決定)において、地方分権改革推進委員会第三次勧告(平成二十一年十月七日)の趣旨を踏まえて、義務付け・枠付け(法令による地方公共団体に対する事務の処理又はその方法の義務付けをいう。以下同じ。)の見直しについて明記している。

四の1について

 御指摘の「政府部内の手続」については、「地域主権推進大綱」等に基づき、各府省の大臣官房等総合調整機能を有する部局において審査を行うなどの対応をしているところである。

四の2について

 御指摘の「閣法の法令協議」において、内閣府及び総務省は、御指摘の「確認」、「判断」等を行いながら、義務付け・枠付けが必要最小限となるように意見を述べるなどしているところである。
 今後とも、地方分権改革推進委員会の累次の勧告等を踏まえ、適切に対応してまいりたい。

四の3について

 内閣提出法律案は、御指摘のように「「義務付け・枠付けに係る国の立法に関する原則」及び「義務付け・枠付けの存置を許容する場合等のメルクマール」に抵触するものは国会に提出されない」というものではない。

五について

 お尋ねは、議員立法に関する事項であり、政府としてお答えすることは差し控えたい。

六の1について

 御指摘の「前記一の(2)及び(3)」には様々な内容のものが含まれると考えられ、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百六十三条の三第五項に規定する「地方公共団体に対し新たに事務又は負担を義務付けると認められる施策」には、施策を行うかどうかは地方公共団体の裁量によるが、当該施策を行う場合に事務又は負担の義務付けがあるものも含まれるものと解しているところである。

六の2の前段及び3について

 御指摘の「法律の条文上は地方公共団体に事務又は負担を義務付ける規定とはなっていなくても、実態としては義務付けと変わらない場合」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「情報提供の時期」については、地方自治法第二百六十三条の三第五項に規定する「地方公共団体に対し新たに事務又は負担を義務付けると認められる施策の立案をしようとする場合」には、同項の規定に基づき、各大臣において適切に判断しているものと認識している。

六の2の後段について

 各大臣による御指摘の「情報提供」の状況については、内閣府又は総務省が「常時把握する仕組み」とはなっていないが、地方自治法第二百六十三条の三第五項に規定する「適切な措置」が講じられるよう、総務省において、各府省に対し、「地方自治法第二百六十三条の三第五項の連合組織に対する情報提供制度の適切な運用について」(平成二十年十月三十一日付け総行行第百四十八号総務省自治行政局長通知)を発出するなどの対応をしているところである。