質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一一九号

地方議会の委員会のオンライン出席に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年五月二十日

音喜多 駿


       参議院議長 山東 昭子 殿



   地方議会の委員会のオンライン出席に関する質問主意書

 新型コロナウイルス感染症の拡大、緊急事態宣言という状況下において、民間企業ではテレワーク・オンライン会議が急速に進んでいる。政府も「新しい生活様式」を国民に示し、その中において具体的に「会議はオンライン」と明示し、推奨している。
 一方で、政治の世界においては、国会の本会議、委員会等への出席について憲法及び法律で規定されていることもあり、オンライン会議が進んでいないのが現状である。この点、地方議会の委員会については、出席についての定めは法律にはなく、「条例で定める」と地方自治体の裁量が明記されており、法改正がなくとも、条例や会議規則で「出席」の定義を定めれば、オンラインで審議・採決を行っても法的に有効となると考えられる。そうした中、総務省は本年四月三十日に「新型コロナウイルス感染症対策に係る地方公共団体における議会の委員会の開催方法について」という通知(以下「総務省通知」という。)を各地方自治体に出されたところである。
 右を踏まえて、以下質問する。

一 地方議会の委員会の定足数に関する要件については、地方自治法百九条九項により、各地方自治体が条例で定めるという理解でよいか。

二 各地方自治体が委員会への「出席」について、オンラインによる出席も認めるという条例ないし規則を定め、委員会を運営することは地方自治法に明確に反することにはならないという理解でよいか。

三 総務省通知において、「新型コロナウイルス感染症のまん延防止措置の観点等から委員会の開催場所への参集が困難と判断される実情がある場合」とあるが、ここにいう「新型コロナウイルス感染症のまん延防止措置の観点等」の解釈、とりわけ「等」の解釈は、地方自治体が行うという理解でよいか。

四 総務省通知において、「新型コロナウイルス感染症のまん延防止措置の観点等から委員会の開催場所への参集が困難と判断される実情がある場合」とあるが、こうした「実情」があることを判断する主体は、各地方自治体であるという理解でよいか。

五 総務省通知における、「新型コロナウイルス感染症のまん延防止措置の観点等から委員会の開催場所への参集が困難と判断される実情がある場合」を地方自治体が解釈または判断し、委員会へのオンラインによる出席に関する定めを条例ないし規則で定めた場合において、その内容が総務省通知に関する政府の考え方と異なる場合、政府が取りうる手段として一般的に何が考えられるか。

六 総務省通知との関連なく、地方自治体がその特性に基づき独自で、委員会へのオンラインによる出席に関する定めを条例ないし規則で定めた場合において、その内容が総務省通知に関する政府の考え方と異なる場合、政府が取りうる手段として一般的に何が考えられるか。内容如何では妨げないことはありうるか。

七 政府は、「新しい生活様式」の中で、民間に「会議はオンライン」と推奨している以上、少なくとも地方議会の委員会については、オンライン会議を消極的に容認するのではなく、積極的に推進するべきと考えるが、政府の見解如何。
 なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁を求めない。国会法七十五条二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。