質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇一号

喫煙室に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年四月十四日

松沢 成文


       参議院議長 山東 昭子 殿



   喫煙室に関する質問主意書

 飲食店や職場などを原則屋内禁煙とする改正健康増進法が今月一日に全面施行され、タバコを吸える場所は、条件を満たした喫煙専用室など(以下「喫煙室」という。)に限られることになった。しかし、この喫煙室が、新型コロナの感染リスクが高い「三密」(密閉、密集、密接)の状態となっている。
 喫煙室での喫煙者は、互いに至近距離でマスクを顎までずらしてタバコを吸い、平均で五~六分は滞在する。このことから、日本禁煙学会(作田学理事長)も、室内に感染者がいれば「濃厚接触」に近い状態となり、クラスター(感染者集団)が発生する危険性が高いことを指摘している。特に社内の喫煙室の場合には同僚と会話することが多く、すでに福井市内の社内喫煙所での感染例も報告されている。また、北海道庁の喫煙所では、「三密」を避けるために窓やシャッターを開け放しており、煙が外に漏れ出て受動喫煙防止が徹底されない状況が問題視されている。
 国民の健康と命を守り、喫煙室をクラスターの発生源としないためには、これを閉鎖する以外に方法はない。複数の研究により、タバコが新型コロナの重症化リスク及び死亡リスクを高めることが報告されており、喫煙室を閉鎖して喫煙の機会を少なくすること自体にも大きな意義がある。
 そこで、新型コロナの感染拡大とこれによる重症化を防ぐために、国内の喫煙室の閉鎖を施設管理者に働きかけるべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。