質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六号

気候変動のような問題はセクシーでなければならないという小泉環境大臣の発言に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十月四日

熊谷 裕人   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   気候変動のような問題はセクシーでなければならないという小泉環境大臣の発言に関する質問主意書

 令和元年九月二十二日(現地時間)、ニューヨーク市内で行われた国連気候行動サミットの非公式会合の後に行われた記者会見で、小泉環境大臣は「政治には非常に多くの問題があり、時には退屈です。気候変動のような大規模な問題に取り組むとき、それは楽しくなければならず、クールでなければなりません。それもセクシーでなければなりません」との旨発言(以下「小泉発言」という。)し、小泉発言はロイターなどの外国の有力なメディアにより世界に発信されたと承知している。
 各国務大臣は、自らの行動、言説について日本国憲法や内閣法の規定に基づき、国会に対して法定の説明責任を負うとともに、国民に対しては政治責任を負うものと解される。
 ところが、九月二十三日、小泉発言に関して、日本の記者らが「セクシー」という単語の真意を確認したところ、小泉大臣は「それをどういう意味かって説明すること自体がセクシーじゃないよね」と述べるとともに、「対策としてクールは分かるがセクシーは会見で聞き慣れないのでは」との質問にも、「だからそれを説明すること自体がセクシーじゃないよね」と述べたことを朝日新聞などが報じている。
 以上のことを踏まえ、以下質問する。

一 少なくとも直近五年間において、国務大臣の公式な記者会見のみならず、そのまま報道することを前提としたいわゆるオンの会見で、国務大臣が「セクシー」という単語を用いて日本政府の政策を評価もしくは形容した事例はないと承知しているが、政府の見解如何。

二 内閣法第三条第一項では、「各大臣は、別に法律の定めるところにより、主任の大臣として、行政事務を分担管理する」とされているが、そもそも「セクシー」であるべき行政事務は内閣にあるのか。政府の見解如何。

三 小泉発言でいうところの「セクシー」という単語は、具体的にどのような意味を持つのか。内閣法第一条第二項で示されるように、「内閣は、行政権の行使について、全国民を代表する議員からなる国会に対し連帯して責任を負う」ことから、各国務大臣は、国会議員に対して自らの言動について説明する法的義務があると解すべきである。小泉発言でいうところの「セクシー」という単語の意味するところは何か。政府の見解如何。

四 日本の記者らの「セクシー」という単語の真意を確認する質問に対して、小泉大臣が「それをどういう意味かって説明すること自体がセクシーじゃないよね」と述べたことは事実か。

五 前記四の小泉大臣の発言は、報道機関のみならず国民に対してもあまりに不誠実ではないか。政府は、前記四の小泉大臣の発言は妥当なものと考えているのか。政府の見解如何。

  右質問する。