質問主意書

第198回国会(常会)

答弁書


答弁書第二八号

内閣参質一九八第二八号
  平成三十一年四月十六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員吉川沙織君提出児童福祉法二十八条事件に係る保護者指導勧告の統計に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員吉川沙織君提出児童福祉法二十八条事件に係る保護者指導勧告の統計に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、最高裁判所事務総局の公表した調査結果によると、平成二十年は二十三件、平成二十一年は四十二件、平成二十二年は三十件、平成二十三年は三十二件、平成二十四年は四十九件、平成二十五年は四十一件、平成二十六年は五十五件、平成二十七年は三十九件、平成二十八年は三十五件、平成二十九年は三十六件である。

二について

 お尋ねについては、福祉行政報告例によると、平成二十年度は三十五件、平成二十一年度は三十四件、平成二十二年度は十六件、平成二十三年度は十五件、平成二十四年度は五件、平成二十五年度は二十七件、平成二十六年度は二十七件、平成二十七年度は八件、平成二十八年度は十二件、平成二十九年度は六件である。

三について

 福祉行政報告例における「家庭裁判所勧告関係」の調査は、調査対象の年度において、各児童相談所が、「家庭裁判所から保護者指導措置を採るべき旨の勧告を受けた件数」の報告を当該児童相談所を管轄する都道府県、指定都市又は中核市(ただし、児童相談所を設置した中核市に限る。)(以下「都道府県等」という。)に行い、これを都道府県等が集計した結果を厚生労働省に報告させることにより行っているものであるが、お尋ねの「乖離が生じる理由」については、調査方法等に関する最高裁判所事務総局による調査との違いが具体的に明らかではないため、お答えすることは困難である。

四について

 御指摘の平成二十七年度福祉行政報告例の記入要領における「児童福祉法第二十八条第六項の規定」との表記は、「児童福祉法第二十八条第五項の規定」の誤記であって、児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律(平成二十九年法律第六十九号。以下「平成二十九年改正法」という。)による改正前の児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十八条第五項の規定を指すものである。
 また、当該表記については、「家庭裁判所勧告関係」の調査を始めた平成十七年度福祉行政報告例の記入要領から使用されていたものであるが、平成二十五年一月一日に施行された非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成二十三年法律第五十三号)第三十一条の規定により児童福祉法の一部が改正された際に、その表記を変更せずに誤記となったものである。

五について

 御指摘の平成二十八年度福祉行政報告例の記入要領における「児童福祉法第二十八条第五項の規定」とは、平成二十九年改正法による改正前の児童福祉法第二十八条第五項の規定を指すものである。
 また、お尋ねの「変更した理由」については、四についてで述べたとおり、平成二十七年度福祉行政報告例の記入要領における「児童福祉法第二十八条第六項の規定」との表記が誤記であったことから変更を行ったものである。

六について

 御指摘の「前記五の変更」を含めた平成二十八年度福祉行政報告例の記入要領における記載内容の変更の決定は、社会福祉に関する統計調査に関する事務のうち福祉行政の事業報告に関することであり、厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健社会統計課行政報告統計室(当時)の所掌であることから、同課行政報告統計室長(当時)が行ったものである。
 また、当該変更は、同年度福祉行政報告例の記入要領作成に向けた確認において、同省雇用均等・児童家庭局総務課(当時)からの指摘により行ったものであり、変更後には同省内の他部課にも共有されたところである。都道府県等に対しては、同年度福祉行政報告例記入要領の周知を行ったが、当該変更自体は、報告内容の変更ではないため、特段の周知は行っていない。

七について

 お尋ねの「公表されているのか」及び「公表されていない場合、その理由」については、個別の統計調査により異なるものであり、一概にお答えすることは困難である。
 いずれにせよ、厚生労働省としては、今後、統計調査の記入要領の公表について、必要に応じて検討してまいりたい。

八について

 お尋ねについては、平成二十九年改正法が平成三十年四月二日に施行されたことを踏まえて、平成二十九年度福祉行政報告例の「家庭裁判所勧告関係」に係る記入要領では「児童福祉法第二十八条第五項の規定」としていたものを、平成三十年度福祉行政報告例の記入要領においては「児童福祉法第二十八条第六項の規定」に変更したところである。