質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第八四号

北方四島交流訪問事業における国会議員の「戦争」発言に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年六月二十六日

小西 洋之   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   北方四島交流訪問事業における国会議員の「戦争」発言に関する再質問主意書

 政府は、「参議院議員小西洋之君提出北方四島交流訪問事業における国会議員の「戦争」発言に関する質問に対する答弁書」(内閣参質一九八第六〇号)の「一から四までについて」において、「お尋ねについては、国会議員としての発言に関するものであり、政府としてお答えする立場にない。」と答弁しているが、「平成三十一年度 北方四島交流訪問事業」(いわゆる「ビザなし交流」)に参加した丸山穂高衆議院議員が元島民に対して「戦争でこの島を取り返すことに賛成か」、「戦争しないとどうしようもなくないか」などとの発言を行ったことについては、河野外務大臣は令和元年五月十五日に参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会で「こうした不適切な発言に影響されないように、日ロ平和条約交渉をしっかりやってまいりたいと思います。」と、宮腰内閣府特命担当大臣も同日に同委員会で「既に同議員におかれては発言を撤回し謝罪されておりますけれども、今回の事案は、事業の趣旨、目的や、元島民の皆様を始め本事業に関わる多くの方々の思いと相入れない甚だ不適切なものであり、事業を所管する内閣府として誠に遺憾であるというふうに考えております。」と、柴山文部科学大臣は同日に衆議院文部科学委員会で「その発言の内容につきましては、我々政府がこれまでとってきた経緯ですとかあるいは立場と全く異なる発言でありまして、その及ぼす影響等も考えますと、極めて遺憾な発言であったというように考えております。」と、菅内閣官房長官は令和元年五月二十日に参議院行政監視委員会で「政府の見解と全く異なるもの」及び「我が国は憲法において戦争放棄をいたしておりますし、あのような発言はあってはならない」と、安倍総理は令和元年六月五日に参議院本会議で「御指摘の丸山穂高議員による国後島での言動は、外交交渉によって北方領土問題の解決を目指すとの政府の方針とは全く異なるものです。相互理解の増進を図るという四島交流事業の趣旨に反し、元島民の方々のお気持ちを深く傷つける遺憾極まりないものであったと考えます。」と、それぞれ国会で答弁を行っている。
 これを踏まえ、以下質問する。

一 安倍総理ら国務大臣のこれらの国会答弁は政府としての見解ではないのか。政府としての見解でないのであればどのような立場による見解なのか、示されたい。

二 「北方四島交流訪問事業における国会議員の「戦争」発言に関する質問主意書」においては、丸山議員の発言について政府としてどのような見解を有しているかについて「当該発言に関するこれまでの国務大臣の国会答弁等も示しつつ答弁されたい。」と既に行われていた国務大臣の国会答弁等の存在を明記して質問しているのにもかかわらず、「政府としてお答えする立場にない。」と答弁するのは、質問に対する答弁拒否ではないのか。

三 政府は、「平成三十一年度 北方四島交流訪問事業」(いわゆる「ビザなし交流」)に参加した丸山議員が元島民に対して「戦争でこの島を取り返すことに賛成か」、「戦争しないとどうしようもなくないか」などとの発言を行ったことについて、どのような見解を有しているか。当該発言に関するこれまでの国務大臣の国会答弁等との関係も示しつつ答弁されたい。

四 政府は、丸山議員の発言について、憲法上どのような問題があると考えているか。また、当該発言について、我が国の国際関係上どのような問題があると考えているか。当該発言に関するこれまでの国務大臣の国会答弁等との関係も示しつつ答弁されたい。

  右質問する。