質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第四五号

横畠内閣法制局長官による三権分立を侵害する等の違憲かつ違法な暴言に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十一年四月十九日

小西 洋之   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   横畠内閣法制局長官による三権分立を侵害する等の違憲かつ違法な暴言に関する質問主意書

 横畠内閣法制局長官は、平成三十一年三月六日の参議院予算委員会において、「憲法上、まさに議院内閣制でございまして、内閣は国会に対して責任を負うということでございます。その観点で、国会が一定の監督的な機能、もちろん行政権の行使は内閣の全責任で行いますけれども、国権の最高機関、立法機関としての作用というのはもちろんございます。ただ、このような場で声を荒げて発言するようなことまで含むとは考えておりません。」と答弁し、同月八日の同委員会において、予算委員長より、「去る六日の本委員会における横畠内閣法制局長官の、このような場で声を荒げて発言するようなことまで含むとは考えておりませんとの発言は、法制局長官の職責及び立場を逸脱するものであり、そのような発言が本委員会で行われたことは誠に遺憾であります。委員長としては、横畠長官に対し、今後かかる行為のないように厳重に注意を申し入れます。」と厳重注意の叱責を受けている。
 これを受けて、以下質問する。

一 戦後の議会の歴史において、国会での答弁内容について、委員長等から注意を受けた内閣法制局長官は横畠内閣法制局長官以外に存在するのか。

二 内閣法制局長官は、国会法第六十九条第二項において政府特別補佐人とされているところであるが、政府は、内閣法制局長官が政府特別補佐人とされている理由及び内閣法制局長官の政府特別補佐人としての職責及び立場についてどのように認識しているか。

三 横畠内閣法制局長官及び政府は、予算委員長による「法制局長官の職責及び立場を逸脱するもの」との言葉をどのような趣旨と受け止めているのか。

四 横畠内閣法制局長官は、予算委員長の厳重注意に対し、「行政府にある者の発言として誠に、発言としてその立場を逸脱した誠に不適切なものでありました」と述べているが、これは自身の暴言の責任について、「行政府にある者」、すなわち、政府特別補佐人たる内閣法制局長官ではなく単なる一行政職員の責任に矮小化する発言ではないか。

五 横畠内閣法制局長官による「このような場で声を荒げて発言するようなことまで含むとは考えておりません。」との発言は、憲法が定める三権分立において国会のみがその是非を判断することができる国会議員の国会審議での発言を評価し、しかも、当該発言を国会の内閣監督機能の表れ等とは認められないとしたものであり、三権分立を否定し国会の自律権を侵害する違憲かつ違法な発言ではないのか。このような暴挙を犯した横畠内閣法制局長官は即刻辞職すべきではないか。

六 横畠内閣法制局長官は、どのような動機により如何なる目的を持って、「このような場で声を荒げて発言するようなことまで含むとは考えておりません。」との発言を行ったのか。また、国会議員のどの発言の部分を「声を荒げて発言するようなこと」と考えていたのか。

七 横畠内閣法制局長官の「このような場で声を荒げて発言するようなことまで含むとは考えておりません。」との発言は、安倍総理の答弁拒否を国会による内閣監督の妨害行為であると安倍総理に抗議する国会議員の発言を指して行われたものであり、安倍総理を擁護するために国会議員を政治的に攻撃する意図を持ってなされた発言ではないのか。このような暴言行為に及んだ横畠内閣法制局長官は即刻辞職するべきではないか。

八 前記一から七について、国会で前代未聞の暴言行為を行い、予算委員長からも厳重注意の叱責を受けた横畠内閣法制局長官をなぜ安倍内閣は罷免しないのか。このような人物を政府特別補佐人として国会に出席させることは立法府への冒涜であると考えないのか。いわゆる昭和四十七年政府見解の中に吉國一郎元内閣法制局長官らが限定的な集団的自衛権行使を容認する憲法九条解釈の基本的な論理を書き込んでいるという虚偽に基づく憲法第九条の解釈変更を始めとして、安倍内閣の度重なる憲法違反行為に三百代言を弄してこれを支える法匪たる人材が他にいないために横畠内閣法制局長官を罷免せず、在任させているのか。

  右質問する。