質問主意書

第196回国会(常会)

答弁書


答弁書第一二九号

内閣参質一九六第一二九号
  平成三十年六月十五日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員小西洋之君提出「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」に関する質問に対する答弁書

一から四までについて

 国政調査権は、憲法第六十二条に規定されている国会の権能であり、政府としては、それが適正に行使され、国会の国政調査活動が十分その目的を達成できるよう、政府の立場から許される最大限の協力をすべきものであると考えている。
 その上で、お尋ねの平成三十年六月四日に財務省が公表した「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」(以下「本報告書」という。)に記載された「不適切な対応」及び「問題のある対応」の意味については、このような国会の国政調査権との関係を踏まえれば、国権の最高機関である国会への対応及び国会の要請に基づき行われた会計検査院による会計検査への対応として、決裁文書の改ざん作業を行い、改ざん後の文書を提出したこと等は、あってはならないことであり、本来とるべき対応ではなかったという意味であると承知している。

五について

 お尋ねについては、安倍内閣総理大臣が平成三十年六月四日の記者会見において「公文書の改ざんはあってはならないことであります。行政府の長としてその責任、痛感しております。二度とこうしたことを起こさないように、公文書の在り方を徹底的に見直し、そして再発防止策を講じてまいります。麻生副総理にはその先頭に立って、責任を果たしていっていただきたい、責任を全うしてもらいたいと、このように考えております。」及び「政治責任とは正にこうしたことが二度と起こらないように、対策を徹底して講じていくことであろうと、このように思います。」と述べ、菅内閣官房長官が同日の記者会見において「今回の問題について先程、麻生大臣自身が認識を示されて、そしてお詫びされた上で、こうした問題が行政全体の信頼を損なったことを踏まえ、閣僚給与の自主返納について話をされたところであります。今後、財務省とし、二度とこのようなことが起こらないよう再発防止策を進めるとともに、財務省全体の意識改革を進めていただきたいと思っておりますが、その際、麻生大臣には今回の調査結果を重く受け止め、そうした反省に立って、財務省の陣頭で改革を進めていただくとともに、財務省が担う行政上の様々な課題について、引き続き責任を持って対応していただきたい、こういうふうに思います。」と述べたとおりである。

六について

 お尋ねの趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難である。

七について

 本報告書の「Ⅵ.一連の問題行為の総括」の「(1)一連の問題行為の目的等」において「応接録の廃棄や決裁文書の改ざんは、国会審議において森友学園案件が大きく取り上げられる中で、更なる質問につながり得る材料を極力少なくすることが、主たる目的であったと認められる。」とされているところである。
 なお、御指摘の平成三十年六月四日の記者会見における麻生財務大臣の発言の趣旨については、同月五日の衆議院財務金融委員会において、同大臣が「今回の調査報告を読んでいただいてもわかるとは思いますけれども、少なくとも、さらなる質問につながる材料については極力少なくしたいという思いが極めてあったということははっきりしておると思っております。もともとの動機は、自分の答弁と、上がってきた現状の書類との間に乖離があった、自分の答弁というものと、いわゆる文書との間の乖離というものに関して、いかにその差を詰めようかというところが一番大きな気持ちだったと思います。詰めねばならぬのは、普通、答弁の方を訂正するという方が通常だというのは、私もそう思います。しかし、現実問題としてはそうはならなかったというところであります。問題は、こういったような改ざんをしろということを指示したのに対して、それに抵抗した職員もかなりおります。そういった意味では、それを従った方と従わなかったところの差が出てきているというのは事実であろうと思いますので、私といたしましては、そういったのを拒否したという方が私どもとして見れば通常の対応だと思いますけれども、そうはならなかったというところで、拒否した者と拒否しなかった者との差というものに関しましてはどのようなところかがわからぬということを申し上げて、その気持ちがわからぬと申し上げたということであります。」と述べているとおりである。