質問主意書

第196回国会(常会)

答弁書


答弁書第一〇〇号

内閣参質一九六第一〇〇号
  平成三十年五月十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員小西洋之君提出自衛隊による他国の軍隊の武器等の防護が武力行使との一体化等となり憲法違反となることに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出自衛隊による他国の軍隊の武器等の防護が武力行使との一体化等となり憲法違反となることに関する質問に対する答弁書

一について

 自衛隊は、昨年の日米共同訓練の際に、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第九十五条の二第一項の警護を米軍の艦艇に対して自衛隊の艦艇が一回、米軍の航空機に対して自衛隊の航空機が一回の合計二回実施したところである。他方で、同項の警護の実施の逐一を公にした場合、米軍等の能力を明らかにし、その活動に影響を及ぼすおそれがあり、また、相手方との関係もあることから、これ以上の詳細についてお答えすることは差し控えたい。

二から四までについて

 御指摘の「当該相手国による自衛隊を始めとする我が国に対する武力攻撃あるいは武力行使の発動を招く危険がある」の意味するところが必ずしも明らかではないが、自衛隊法第九十五条の二の規定による武器の使用は、自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動に現に従事している合衆国軍隊等の部隊の武器等という、我が国の防衛力を構成する重要な物的手段に相当するものと評価することができるものを武力攻撃に至らない侵害から防護するための極めて受動的かつ限定的な必要最小限の行為であり、同条第一項において「現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。」と規定することにより、同項の警護が合衆国軍隊等による「武力の行使と一体化」しないことを担保するとともに、同条の規定による武器の使用によって戦闘行為に対処することはないものとし、したがって、自衛隊が武力の行使に及ぶことがなく、また、同条の規定による武器の使用を契機として戦闘行為に発展することもないようにしている。
 このような武器の使用は、憲法第九条で禁止された「武力の行使」には当たらないと考えている。