質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第二四〇号

安倍総理の自衛隊明記改憲の立法事実に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年七月二十日

小西 洋之   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   安倍総理の自衛隊明記改憲の立法事実に関する質問主意書

一 安倍総理は、本年四月十一日の衆議院予算委員会において、「私、自民党総裁として申し上げれば、我が国の安全を守るため命を賭して任務を遂行している自衛隊の存在を明記し、その正当性を明確化することは我が国の安全の根幹にかかわることである、このように考えております。」と答弁しているが、安倍総理は内閣総理大臣としても「憲法改正により自衛隊の存在を明記し、その正当性を明確化することは我が国の安全の根幹にかかわることである」と考えているのか。また、安倍総理は、なぜ、自衛隊明記の改憲が「我が国の安全の根幹にかかわること」と考えているのか。

二 前記一について、自民党総裁としてであれ、内閣総理大臣としてであれ、安倍総理は憲法改正を行い自衛隊の存在を憲法に明記しない限り、自衛隊員が防衛出動等の自衛隊法等に定める任務の遂行を「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる」等と誓う自衛隊法に基づく服務の宣誓の趣旨に則り、適切に遂行しないと考えているのか。仮にそのように考えているのであれば、殉職などの貴い犠牲を払いながら、自衛隊創設以来、国民を守る専守防衛の任務に励んでいる自衛隊員に対して失礼極まりない見解ではないか。

三 安倍総理は本年四月九日の参議院決算委員会において、「やはりこの憲法上自衛隊を明記して、そして護憲論争に終止符を打つことは、現在の安全保障環境を見ている中においても意義あるものであろうと思うわけでございます。言わば、実力組織である自衛隊、そして実際に日本人の命を守るために活動している自衛隊の諸君についての違憲論争に終止符を打つ、これはやはりこの防衛政策の基本ではないだろうかと、こう思っている次第でございます。」と答弁しているが、これは内閣総理大臣としての見解なのか。また、安倍総理は、なぜ、「自衛隊の諸君についての違憲論争に終止符を打つ、これはやはりこの防衛政策の基本」と考えているのか。

四 前記三について、自民党総裁としてであれ、内閣総理大臣としてであれ、安倍総理は憲法改正を行い自衛隊の存在を憲法に明記し、「自衛隊の諸君についての違憲論争に終止符を打つ」ことをしない限り、自衛隊員が防衛出動等の自衛隊法等に定める任務の遂行を「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる」等と誓う自衛隊法に基づく服務の宣誓の趣旨に則り、適切に遂行しないと考えているのか。仮にそのように考えているのであれば、殉職などの貴い犠牲を払いながら、自衛隊創設以来、国民を守る専守防衛の任務に励んでいる自衛隊員に対して失礼極まりない見解ではないか。

  右質問する。