質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第二一六号

持続可能な社会保障制度の確立に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年七月二十日

石上 俊雄   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   持続可能な社会保障制度の確立に関する質問主意書

 昨年提出した、「持続可能な社会保障制度の確立に関する質問主意書」(第百九十三回国会質問第一二四号)に対する答弁書(内閣参質一九三第一二四号)が閣議決定されてから、約一年が経過している。この間の持続可能な社会保障制度の確立についての取組みを踏まえ、以下のとおり質問する。

一 医療・介護保険制度改革について

1 医療保険制度改革の推進
(1) 後期高齢者支援金における全面総報酬割の導入のような、従来の制度の大枠は維持した上で費用負担の方法を変更する改革ではなく、保険者機能の発揮に着目した医療保険制度改革を目指すべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
(2) 現役世代の拠出金負担が過大とならないよう、将来にわたり高齢者医療運営円滑化等補助金の財源を確保するよう努め、また、全面総報酬割の導入に伴う被用者保険の保険財政への影響の評価及び検証を着実に行うべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
2 特例退職者医療制度の改善及び任意継続被保険者制度の加入期間
(1) 特例退職者医療制度について、定年退職後すぐに特定健康保険組合への加入ができるよう、切れ目のない制度へと改善するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
(2) 任意継続被保険者制度の加入期間の短縮は行うべきでないと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
3 介護納付金の総報酬割導入
 現行の介護保険制度が社会保険方式であることを踏まえ、介護納付金の負担の在り方を検討する必要がある。税制における所得再分配機能の発揮を考慮し、介護納付金の被用者保険間の負担調整は、公費の拡充を含めて検討するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
4 地域包括ケアシステムの推進
(1) 介護者が仕事と介護を両立できるようにすることを含め、地域包括ケアシステムの構築を推進するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
(2) 同居家族が就労している間に要介護者等に対して見守りサービスや生活支援等を行う日中独居対策の充実・強化を図るべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

二 ICT利活用による社会保障の充実について

1 総合合算制度の検討
 マイナンバー制度の開始により、総合合算制度の検討環境が整いつつある。社会保障制度の横断的な負担軽減策である総合合算制度の実現に向けた検討を今こそ推進するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
2 介護ロボットの導入促進
(1) 介護ロボットを導入する介護事業者への支援について、安定的な財源を確保するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
(2) 介護業務の効率化・負担軽減等の観点から、介護ロボットを導入する事業者に介護報酬加算を行い、介護現場や在宅における介護ロボットの導入促進を図るべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

三 人口減少・超少子高齢社会に対応した持続可能な社会づくりについて

1 社会保障制度の給付と負担の在り方
(1) 社会保障の給付と負担のバランスが、公平で安心・納得できるものとなるよう、社会保障と税の一体改革を着実に進めるべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
(2) 国民の将来不安解消に向け、二〇二五年以降の社会保障の給付と負担の在り方について、国民を巻き込んだ論議を進めるべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
2 地方創生に向けた取組み
(1) 地方版総合戦略の推進について、実効性担保の観点から、PDCAサイクルを回し、地方版総合戦略の不断の見直し・補強を行うべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
(2) 各人の経験やスキル等を活かして現役時代から地域活動に参画することは、本人の生きがいや健康維持、地域の活性化につながるため、国は、現役時代から地域活動に参画できるよう、環境整備をより一層推進するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

  右質問する。