質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第二〇八号

陸上自衛隊オスプレイの整備計画に関する第三回質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年七月十九日

青木 愛   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   陸上自衛隊オスプレイの整備計画に関する第三回質問主意書

 平成三十年六月十四日に提出した「陸上自衛隊オスプレイの整備計画に関する再質問主意書」(第百九十六回国会質問第一三九号。以下「前回質問主意書」という。)において、政府が「施設整備が完成するまでの間のV-二二オスプレイの一時的な処置」について、候補地となる市町村等の意見を聞かず、国の機関の内部における検討のみをもって意思決定を行うこと、また、その意思決定を時間的余裕がない中で当該市町村等に説明し、受入れの是非を判断させること、あるいはその説明さえもないまま一時的な処置(暫定配備)を実行することは、それぞれ「住民で形成される自治体の自由な意思というものをできるだけ尊重しなければいけない」とする地方自治の本旨に反する行為にあたるのではないかと問うたところ、これに対する答弁書(内閣参質一九六第一三九号。以下「前回答弁書」という。)の「一について」において政府は、「候補地となる市町村等の意見を聞かず、国の機関の内部における検討のみをもって意思決定を行うこと、また、その意思決定を時間的余裕がない中で当該市町村等に説明し、受入れの是非を判断させること、あるいはその説明さえもないまま一時的な処置(暫定配備)を実行すること」を「仮定」と位置付け、これらに関する答弁を差し控えた。
 ついては以下質問する。

一 「参議院議員青木愛君提出陸上自衛隊オスプレイの配備先に関する質問に対する答弁書」(内閣参質一九六第五五号)において政府は、「防衛省としては、V二二の導入に際しての一時的な処置については、様々な選択肢を検討しているところであり、木更津市に暫定的に配備することを決定した事実はない旨を説明したとおりである」と答弁しているが、「暫定的に配備する」とはどのような状態を言うのか、「配備」本来の意味及び「正式に配備する」との違いも交えて説明願いたい。

二 「参議院議員青木愛君提出陸上自衛隊オスプレイの配備先に関する第三回質問に対する答弁書」(内閣参質一九六第八四号)の「一及び二について」において政府は、「垂直離着陸機V二二オスプレイの導入に際しての一時的な処置については、防衛省組織令(昭和二十九年政令第百七十八号)第二十七条の規定に基づき陸上自衛隊の部隊及び機関の組織、編成、装備及び配置の基本に関することを所掌している防衛省整備計画局防衛計画課を中心とした関係部署において検討している」と答弁しており、このことは「候補地となる市町村等の意見を聞かず、国の機関の内部における検討のみをもって意思決定を行うこと」に他ならないものと解される。これを「仮定」とするのならば、その根拠を示されたい。

三 「参議院議員青木愛君提出陸上自衛隊オスプレイの整備計画に関する質問に対する答弁書」(内閣参質第一九六第一一六号)の「一について」において政府は、「平成二十六年度以降に係る防衛計画の大綱」(平成二十五年十二月十七日閣議決定)及び「中期防衛力整備計画(平成二十六年度~平成三十年度)」(平成二十五年十二月十七日閣議決定)に基づいて陸上自衛隊に導入する垂直離着陸機V二二オスプレイ(以下「V二二」という。)十七機については、これまでに十三機について契約を締結しており、あくまで現時点の計画であり変更はあり得るが、平成三十年秋頃から順次我が国に輸送される予定である」と答弁している。平成三十年秋頃までは余すところあと数か月間しかなく、現時点で防衛省が意思決定を行った場合でも、必然的に「時間的余裕がない中で当該市町村等に説明し、受入れの是非を判断させること」となる。これは「仮定」ではなく、論理的帰結であると考えるが、なぜこれを「仮定」とするのか、その根拠を示されたい。

四 前回答弁書「二について」における「相手方との関係」とは何を意味するのか。現時点の計画を変更するための日米双方の協議機関名及び必要となる手続を答弁することが、具体的に米国とのどのような関係に、どう影響を及ぼすのか説明されたい。

五 前回答弁書「三、四及び八について」における「率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるものであること等」とは何を意味するのか。「施設整備が完成するまでの間のV-二二オスプレイの一時的な処置」について、V二二の配備のための施設整備が完了するまでの間、同機を米国に一時保管する(留め置く)ことを検討した事実、米国において完成後の同機を保管するために必要な条件(保管先の施設の面積等)及び同機を米国に留め置くことの可否を答弁することが、具体的にどの機関のどのような率直な意見の交換又は意思決定の中立性を不当に損なうのか、また「等」とは何か、説明されたい。

六 前回答弁書「五から七までについて」における「国の安全が害されるおそれ及び同国との信頼関係が損なわれるおそれがあること等」とは何を意味するのか。V二二を完成後に米国で保管する場合の契約上の取扱い、権利義務関係(保管料の発生等)及び契約上の定めがない場合の日米協議の必要性を答弁することが、具体的にどのように国の安全を害し、どう米国との信頼関係を損なうのか、また「等」とは何か、説明されたい。

七 前回質問主意書の三の質問において、「V二二の配備のための施設整備が完了するまでの間、同機を米国に一時保管する(留め置く)ことを検討した事実はあるか」と問うたところ、前回答弁書の「三、四及び八について」では、同事実を否定する答弁はなされなかった。政府は、米国において完成後のV二二を一時保管する(留め置く)ことが現状における唯一の選択肢と認識すべきと考えるが、見解を示されたい。

  右質問する。