質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第二〇二号

後発医薬品の安定供給と医薬品製造販売業者の製造継続にかかる責任に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年七月十九日

川田 龍平   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   後発医薬品の安定供給と医薬品製造販売業者の製造継続にかかる責任に関する質問主意書

 政府は、「二〇二〇年(平成三十二年)九月までに、後発医薬品の使用割合を八〇%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」と平成二十九年六月に閣議決定し、後発医薬品の使用促進を広く呼びかけていると理解している。国民及び医師、歯科医師、薬剤師等の医療従事者は、こうした政府の呼びかけに応じて後発医薬品を使用するように努めており、国民にあっては使い慣れた先発医薬品から使い慣れない後発医薬品に変更されるという忍びがたき不便にも耐えて政府の取り組みに協力している。
 このような状況にあって、後発医薬品をもっぱら製造販売する十分な資力に支えられる大手企業の中に、「安定供給の確保が難しくなった」という名目によって販売中止することを標榜しながら、実際には、不採算を理由にした販売中止ではないかと疑われるような製造販売中止事例があると聞く。こうした企業の中には、例年の如く販売中止とする製品を大量に出す企業もあり、製造継続に対する製造販売業者の責任について見識があるのか疑いたくなるような企業もある一方で、製薬企業のM&Aが進む過程で、合弁前の製薬企業が製造していた製品などの品質基準などを顧慮した上で製造中止という判断に至ったという品質管理上の製造責任を果たすような企業もあると聞く。
 しかしながら医薬品の使用者である国民にあっては、使い慣れた製品が製造中止となれば、使い慣れない別の製品に変更しなければならないということである。先発医薬品から後発医薬品に変更を強いられた上に、さらに、販売中止が理由で別の後発医薬品に変更させられるなどというのは、不便きわまりない話である。医薬品を製造販売している以上は、その製造の継続性については一定程度の責任を求めるべきであると考えるところであるが、後発医薬品の製造販売者の中にこうした責任について軽視するようなものがあるとすれば大変に遺憾なことである。
 そこで医薬品の安定供給を所管する厚生労働省に問う。現在、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の改正に向けて、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会(以下「制度部会」という。)にて具体的な問題点について議論をしていると聞くところであるが、前記のような後発医薬品の販売中止事例について、あまりにも無責任な販売中止などについては、課徴金などの罰則を検討する必要があるのではないかと考える。こうした罰則制度の導入などについて、制度部会において検討する余地があるのかについて見解を明らかにされたい。

  右質問する。