質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第一一〇号

精神障害者に対する交通運賃割引制度の実施状況に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年五月十八日

川田 龍平   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   精神障害者に対する交通運賃割引制度の実施状況に関する質問主意書

一 政府が福祉サービスに関し、身体障害、知的障害及び精神障害の三障害を一元的に扱う政策を進めるなか、精神障害者に対する公共交通機関の運賃割引が鉄道事業者及びタクシー事業者の大部分と一部地域の路線バス等で導入されていないことについて、その理由と併せて政府の認識を示されたい。

二 二〇一八年五月十一日の参議院本会議における精神障害者に対する公共交通機関の運賃割引に関する私の質疑に対し国土交通大臣は、精神障害者に対する運賃割引については事業者の自主的な判断の中で理解と協力を求めてきた旨の答弁をしているが、具体的に、いつ、どのような方法で事業者に対して理解と協力を求めたのかを明らかにされたい。

三 前記二の国土交通省が求めた理解と協力に対して、事業者からどういう返答がきているのか。また、精神障害者に対する運賃割引を導入していない理由はどのようなものが示されているのか、明らかにされたい。

四 国土交通省は、「精神障害者に対する公共交通機関の運賃割引の実施状況」(以下「運賃割引実施状況」という。)を取りまとめ、精神障害者に対する運賃割引を導入している事業者数を集計しているが、このうち、自治体の福祉予算を財源にした当該自治体の住民に限定した割引を実施している事業者数、介護人なしの精神障害者が単独で乗車する場合、片道百キロメートルを超える区間のみを割引対象にしている事業者数、同乗する介護人も割引対象にしている事業者数をそれぞれ明らかにされたい。

五 運賃割引実施状況では、介護人なしの精神障害者が単独で乗車する場合、片道百キロメートルを超える区間のみを割引対象にしている事業者と、同乗する介護人も割引対象にしている事業者を区別することなく、精神障害者に対する運賃割引を導入した事業者として集計しているが、運賃割引の実施状況をより詳細に把握できるよう、割引の態様や条件別に集計すべきではないのか、政府の見解を明らかにされたい。

六 運賃割引実施状況では、介護人なしの精神障害者が単独で乗車する場合、片道百キロメートルを超える区間のみを割引対象にしている事業者を、運賃割引を導入した事業者として集計しているが、片道百キロメートルを超える区間のみを割引対象にするのでは、旅行にしか使えず、通院等日常的な利用の負担は軽減されない。片道百キロメートル以下の区間も割引運賃の対象にすべきと考えるが、国土交通省は、片道百キロメートルを超える区間のみを割引対象にしている事業者に対しても精神障害者に対する運賃割引の対象拡大に向けて更なる努力をするよう、理解と協力を求めてきたのか、明らかにされたい。

  右質問する。