質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第二六号

植物油脂の安全性に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年二月二十三日

伊藤 孝恵   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   植物油脂の安全性に関する質問主意書

 菜種油、水素添加大豆油など数種の植物油脂が、日本人の平均的な摂取量で脳卒中促進作用を示したり、各種生活習慣病の発症因子となったりしていることが国内外で報告されている。国民の健康を守る観点から、以下質問する。

一 政府は、日本人の平均的な植物油脂の摂取量を油種別に把握しているか、また、数種の植物油脂が各種生活習慣病の発症因子となっていることを把握し、適切に政策へ反映しているか、それぞれ明らかにされたい。

二 植物油脂への水素添加によりトランス脂肪酸と水添ビタミンK1(ジヒドロ型ビタミンK1)が副生する。政府は、トランス脂肪酸について、日本人の通常の食生活における摂取量は健康に影響を及ぼす量に達していないとし、諸外国とは異なり、使用基準を設けるなどの規制をしていない。一方の水添ビタミンK1について、摂取した場合の安全性に関する政府の見解如何。

三 遺伝子組換え技術を使った品種である高オレイン酸型大豆が生産されているが、研究者がその安全性を研究しようとしても、当該大豆を入手することができない。当該大豆の安全性に関するデータは、当該大豆を生産している企業自身が研究したものしかなく、厚生労働省に行けば当該データを閲覧することはできるものの、写真を撮ることもコピーをすることも許されていない。当該企業が自身に都合のよい研究データのみを発表して、当該大豆を原材料の一つとする製品を販売することも危惧される。当該企業とは別の視点からの高オレイン酸型大豆の安全性の研究を進めるため、研究者が当該大豆の種子を安価な値段で買える体制を整備すべきではないかと考えるが、政府の見解如何。

四 薬や食品の有効成分に疑いを持ち研究するため、製造企業に有効成分に関するデータの開示を求めても、メリットがないと製造企業が判断すれば、データ提供を拒否できるのが現在の状況ではないか。国民の健康を守り、薬や食品の成分の安全性を確保するため、どの研究者でもその成分に関するデータを入手できる制度が必要ではないかと考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。