質問主意書

第194回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一一号

内閣参質一九四第一一号
  平成二十九年十月六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員福島みずほ君提出米軍占領下の沖縄での核兵器問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出米軍占領下の沖縄での核兵器問題に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 日本に復帰する以前の沖縄における米国軍隊の核兵器の配備等については、政府として承知していない。

三について

 千九百六十九年十一月二十一日付けの佐藤内閣総理大臣(当時)とニクソン米国大統領(当時)との共同声明第八項には、「総理大臣は、核兵器に対する日本国民の特殊な感情およびこれを背景とする日本政府の政策について詳細に説明した。これに対し、大統領は、深い理解を示し、日米安保条約の事前協議制度に関する米国政府の立場を害することなく、沖縄の返還を、右の日本政府の政策に背馳しないよう実施する旨を総理大臣に確約した。」旨記されており、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(昭和四十七年条約第二号)第七条では、「アメリカ合衆国政府が琉球諸島及び大東諸島の日本国への返還を千九百六十九年十一月二十一日の共同声明第八項にいう日本国政府の政策に背馳しないよう実施すること」が明記されている。
 その上で、千九百七十二年五月十五日、米国政府は、ロジャーズ米国国務長官(当時)から福田外務大臣(当時)に宛てた書簡をもって、「沖縄の核兵器に関するアメリカ合衆国政府のこの確約が完全に履行されたこと」を日本国政府に通報するとともに、「日米間の相互協力及び安全保障条約の下における事前協議にかかる事項については、アメリカ合衆国政府は日本国政府の意思に反して行動する意図のない」ことを確認している。

四について

 我が国は、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してきており、政府としては、今後ともこれを堅持する所存である。
 その上で申し上げれば、米国軍隊による核の持込みが行われる場合は、米国軍隊の装備における重要な変更を事前協議の対象とする日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)第六条の実施に関する交換公文の規定及びいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解から、全て事前協議の対象となるということは明らかである。
 米国政府は、累次の機会に同条約及びその関連取極に基づく日本に対するその義務を誠実に履行する旨保証しているところであり、政府としては、核持込みの事前協議が行われない以上米国による核の持込みがないことについて何らの疑いも有していない。