質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第一五〇号

教育現場における教員の事務作業負担の軽減等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年六月十五日

藤末 健三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   教育現場における教員の事務作業負担の軽減等に関する質問主意書

 一人一人の子どもは個性を持った存在であり、成育環境や発達段階の違い等により、それぞれが異なる課題や困難を抱えている。教員は、一人一人の子どもの課題や困難をしっかりと受け止めた上で、子どもとの日々の関わりを通じて、その解決に向けた子どもの努力に寄り添っていくことが求められている。そのため、教員に対しては、教育者としてその専門性が最大限尊重されるとともに、一人一人の子どもと向き合う時間的な余裕が確保される必要がある。
 しかしながら、OECD国際教員指導環境調査(TALIS)等で明らかにされているように、我が国の教員は、諸外国と比べて、教育行政機関等からの調査への回答や書類作成を始めとする事務作業の負担が多く、一人一人の子どもと向き合う時間的な余裕を十分に持つことが困難になってきている。加えて、現在、教員は、悉皆による全国学力・学習状況調査の実施、人事評価制度の導入等に伴い、教育行政機関等が定める目標や評価等に対応することが求められ、精神的な余裕を失いやすい状況にある。
 以上の前提に立ち、以下質問する。

一 事務作業の負担も含めた教員の勤務状況を政府はどのように把握しているか明らかにするとともに、把握した実態に対する評価を示されたい。

二 政府は、教員が一人一人の子どもと向き合う時間的な余裕が少ないことによる弊害をどのように考えているか、認識を示されたい。

三 政府は、教員が一人一人の子どもと向き合う時間的な余裕を確保するためにも、事務作業の負担軽減に向けた取組を率先して行うべきと考えるが、見解を示されたい。

  右質問する。