質問主意書

第192回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第八九号

内閣参質一九二第八九号
  平成二十八年十二月二十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員小西洋之君提出自衛隊の米軍等の武器等防護等における武器使用の危害要件と憲法第九条との関係に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出自衛隊の米軍等の武器等防護等における武器使用の危害要件と憲法第九条との関係に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかでないが、重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号)に基づく後方支援活動等については、現に戦闘行為が行われている現場では実施しないものとすること等を要件とすることにより、他国による「武力の行使と一体化」しないことを担保している。
 また、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第九十五条の二の規定による武器の使用は、自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動に現に従事している合衆国軍隊等の部隊の武器等を武力攻撃に至らない侵害から防護するための極めて受動的かつ限定的な必要最小限の行為であり、同条第一項において「現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。」と規定することにより、同項の警護が合衆国軍隊等による「武力の行使と一体化」しないことを担保するとともに、同条の規定による武器の使用によって戦闘行為に対処することはないものとし、したがって、自衛隊が「武力の行使」に及ぶことがなく、また、同条の規定による武器の使用を契機として戦闘行為に発展することもないようにしていることから、憲法上の問題を生じることはない。
 さらに、自衛隊法第八十四条の三の規定による在外邦人等の保護措置については、自衛隊が同条第一項の規定による保護措置(武器の使用を含む。)を行うことについて、当該外国の同意があることに加え、当該外国の領域の当該保護措置を行う場所において、当該外国の権限ある当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たっており、かつ、戦闘行為が行われることがないと認められることを要件としており、これにより、当該保護措置が行われる場所に国に準ずる組織が存在しないことを担保していることから、同法第九十四条の五第一項の規定による武器の使用は、「武力の行使」に当たることはなく、憲法上の問題を生じることはない。