質問主意書

第192回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五六号

女性の就労を妨げる壁に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年十二月十三日

吉川 沙織   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   女性の就労を妨げる壁に関する質問主意書

 少子高齢化が進展し人口減少社会を迎える中、我が国の持続的成長を実現し、社会の活力を維持していくためには、国民全てがその個性に応じた多様な能力を発揮できる社会の構築が不可欠となる。政府は「女性活躍加速のための重点方針二〇一六」を決定するなどの取組を始めたところであるが、女性の継続就業を妨げる壁を取り払うには至っていない。
 こうした観点から、以下、質問する。

一 「百三十万円の壁」とも言われている各種医療保険及び年金保険における被扶養者制度について、直近の被扶養配偶者数を示されたい。併せて、直近から十年前、二十年前及び三十年前の被扶養配偶者数をそれぞれ示されたい。

二 国民年金の第三号被保険者に係る保険料は制度上設定されていないが、給付はされることとなる。保険料を支払っていない者に給付をするということになるが、この場合において保険料分の負担をしている者は誰になるのか。

三 「百三万円の壁」とも言われている配偶者控除制度について、直近の適用者数及び所得税の減収見込額を示されたい。併せて、直近から十年前、二十年前及び三十年前の適用者数及び所得税の減収見込額をそれぞれ示されたい。

四 前記三に関して配偶者控除の上限を「百五十万円」に変更した場合、適用者数及び所得税の減収見込額はどう変化するか。直近の数値を基に試算願いたい。

五 政府が掲げる「女性活躍推進」とは、女性の正規雇用・非正規雇用、フルタイム労働者・パートタイム労働者をそれぞれどれだけ増加させようとする政策目標なのか。

六 社会保険制度において、主婦が夫の扶養家族として保険料の支払を免除される範囲の年収を超えないように働く理由について、政府はどう認識をしているか。

七 税制度において、主婦が夫の扶養家族として配偶者控除される範囲の年収を超えないように働く理由について、政府はどう認識をしているか。

八 前記六及び七を踏まえ、働きたい女性が働きやすい中立的な社会保障制度・税制度の確立のため、百三十万円及び百三万円それぞれの壁について、将来的には無くすべきと考えているのか、政府の見解を問う。

  右質問する。