質問主意書

第191回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一五号

内閣参質一九一第一五号
  平成二十八年八月十五日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員石上俊雄君提出我が国製造業を担う人材の確保・育成に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石上俊雄君提出我が国製造業を担う人材の確保・育成に関する質問に対する答弁書

一について

 様々な物にセンサ等が埋め込まれ、収集された多量の情報がインターネットでやり取りされるいわゆるIoTをはじめとする新たな技術革新の出現により、製造業のビジネス環境が変化しており、我が国の製造業の競争力を高めていくためには、その製品に関連するソフトウェアでも付加価値を生み出すこと及びそのための人材を育成していくことが必要であると認識している。政府としては、生産現場における新たな技術を利用した制御システムの保守及び管理並びにソフトウェアの開発に関する技術及び技能等を習得するために開発された「スマート生産サポート科」のカリキュラムに基づいた職業訓練を職業能力開発促進センターにおいて実施している。また、製造の現場の経験が豊富な人材がIoTやロボットの導入に関する知見を学び、IoTやロボットの導入に詳しい人材が製造の現場の改善手法を習得するための研修等を行う「スマートものづくり応援隊」事業において、異なる分野の専門技術を学び、交流する機会を提供することとしており、今後も引き続きこうした取組を進めてまいりたい。

二について

 熟練技能者の技術・技能を分析し、それを承継し発展させていく人材を育成する上で、工業系の学科を設置する高等学校や高等専門学校等における職業教育を充実することは重要な課題であると認識している。このため、文部科学省においては、工業系の学科を設置する高等学校等の中から、先進的な取組を行う高等学校を指定し、その調査研究の成果を全国的に普及させることを目的とした事業である「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール」事業等を実施している。また、同省においては、工業系の学科を設置する高等専門学校について、ロボットに係る技術など人材育成が喫緊の課題である分野における取組や、高等専門学校と地域の企業や地方公共団体が連携して行う教育の取組に対する支援等を実施している。引き続き、工業系の学科を設置する高等学校や高等専門学校等における職業教育の充実を通じて、専門的職業人の育成に努めてまいりたい。