質問主意書

第190回国会(常会)

答弁書


答弁書第一二四号

内閣参質一九〇第一二四号
  平成二十八年六月二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員和田政宗君提出いわゆるクマラスワミ報告に対する日本政府反論書に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員和田政宗君提出いわゆるクマラスワミ報告に対する日本政府反論書に関する質問に対する答弁書

一について

 国際連合人権委員会が任命したクマラスワミ特別報告者による報告書(以下「クマラスワミ報告書」という。)が、平成八年二月に、国際連合に提出されたことを受け、我が国は、同年三月に、クマラスワミ報告書に対する日本政府の見解等(以下「反論文書」という。)を取りまとめ、同委員会の構成国を中心とした各国(以下単に「各国」という。)に対して働きかけを行うとともに、国際連合に提出したものである。なお、同委員会において「女性に対する暴力撤廃」と題する決議が、同年四月に採択されたが、その過程において、当該決議の案文がクマラスワミ報告書に言及していることから、我が国の立場についてできるだけ多数の国の理解を得ることを目指し、我が国が、同年三月に、各国から詳細すぎると指摘のあった反論文書に替わるものとして「女性に対する暴力及びいわゆる「従軍慰安婦」問題に関する日本政府の施策」と題する文書を改めて作成し、各国に対して働きかけを行うとともに、当該文書を国際連合に提出した結果、当該文書が国際連合の文書として配布されたところである。

二について

 反論文書の公開の是非については、引き続き慎重に検討しているところであり、お答えすることは差し控えたい。

三について

 政府としては、今後とも、国際社会において、慰安婦問題についての我が国の立場が理解されるよう積極的かつ戦略的に対外発信に取り組むこととしている。国際社会の理解を得るのに何が最善の方法かについては引き続き検討を進めてきており、その中で反論文書の公開の是非についても慎重に検討しているところである。