質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第四〇〇号

内閣参質一八九第四〇〇号
  平成二十七年十月六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員小西洋之君提出専守防衛の改変に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出専守防衛の改変に関する質問に対する答弁書

一について

 「専守防衛」とは、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいうものであり、我が国の防衛の基本的な方針である。

二について

 一についてで述べた「専守防衛」の定義にいう「相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し」の部分は、我が国が武力を行使するのは、あくまで憲法上許容される自衛の措置に限られるということを述べたものである。すなわち、その実質は、昭和四十七年十月十四日に参議院決算委員会に対し政府が提出した資料「集団的自衛権と憲法の関係」にあるとおり、あくまで外国の武力攻撃によって我が国の国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態に至ったとき、初めて防衛力を行使するという意味である。また、一についてで述べた「専守防衛」の定義にいう「憲法の精神」とは、憲法第九条の下、我が国が自衛のために行う実力の行使及び保持は、急迫、不正の事態を排除するため必要最小限度でなければならないことをいうものである。このように、「専守防衛」については、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るという意味において、「受動的な防衛戦略の姿勢」であると説明している。
 お尋ねの「定義に当てはめて、一連の文章を構成し、それが日本語の文章として意味が成り立つか、評価されたい」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、一についてで述べたとおり、「専守防衛」は、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいうものであり、政府として、我が国の防衛の基本的な方針である「専守防衛」を維持することに変わりはない。