質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第七七号

内閣参質一八九第七七号
  平成二十七年三月二十日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員藤末健三君提出不動産投資信託等の適切な広告等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出不動産投資信託等の適切な広告等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「広告等が行われている場合、これらの規定に抵触する」のか及び「広告等を行っている場合、この罰則の対象となる」のか否かについては、個別具体的な事情により判断すべき事柄であり、御指摘の事実関係のみをもって一概にお答えすることは困難である。
 一般論としては、金融商品取引業者については、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第三十七条第二項において、金融商品取引業に関して広告等をするときは、金融商品取引行為を行うことによる利益の見込み等について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない旨、同法第三十八条第一号において、金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為をしてはならない旨、同条第二号において、顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤解させるおそれのあることを告げて金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為をしてはならない旨及び同条第七号の規定に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令(平成十九年内閣府令第五十二号)第百十七条第一項第二号において、金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、虚偽の表示をし、又は重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為をしてはならない旨が定められている。
 また、不動産特定共同事業者については、不動産特定共同事業法(平成六年法律第七十七号)第十八条第三項において、その業務に関して広告をするときは、不動産取引による利益の見込み等について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない旨、同法第二十条第一項において、不動産特定共同事業契約の締結の勧誘をするに際し、その相手方に対し、当該不動産特定共同事業契約に関する事項であってその相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない旨、同法第二十一条第一項において、不動産特定共同事業契約の締結の勧誘をするに際し、その相手方に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない旨及び同条第四項の規定に基づく不動産特定共同事業法施行規則(平成七年大蔵省・建設省令第二号)第十九条第六号において、不動産特定共同事業契約の締結又は更新について勧誘をするに際し、事業参加者の取得する契約上の権利及び義務に関し一定の期間につき、利益の配当、収益の分配その他いかなる名称をもってするを問わず、一定の額又はこれを超える額の金銭の供与が行われる旨の表示をし、又はこれらの表示と誤認されるおそれがある表示をする行為をしてはならない旨が定められている。

二について

 金融商品取引業者及び投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第十三項に定める登録投資法人(以下「登録投資法人」という。)については、金融庁総務企画局政策課金融サービス利用者相談室(以下「金融庁金融サービス利用者相談室」という。)等において利用者からの情報提供等を受け付けるなど、広告等に係るものも含め、日頃より情報収集に努めている。
 また、必要に応じ、金融商品取引法第五十六条の二の規定に基づく検査等又は投資信託及び投資法人に関する法律第二百十三条の規定に基づく立入検査等を実施している。
 なお、金融商品取引業者に金融商品取引法違反等が認められた場合には、同法第五十一条の規定に基づく業務改善命令を発し、又は同法第五十二条第一項の規定に基づく登録の取消しを行い、若しくは業務の全部若しくは一部の停止を命じ、また、登録投資法人に投資信託及び投資法人に関する法律違反等が認められた場合には、同法第二百十四条第一項の規定に基づく業務改善命令を発し、又は同法第二百十六条第一項の規定に基づく登録の取消しを行うなど、厳正に対処することとしている。
 不動産特定共同事業者については、国土交通省国土交通ホットラインステーション、金融庁金融サービス利用者相談室等において、利用者からの情報提供等を受け付けるなど、広告等に係るものも含め、日頃より情報収集に努めている。
 また、必要に応じ、不動産特定共同事業法第四十条の規定に基づく立入検査等を実施している。
 なお、不動産特定共同事業者に同法違反等が認められた場合には、同法第三十四条第一項若しくは第二項の規定に基づく指示、同法第三十五条第一項若しくは第二項の規定に基づく業務停止命令又は同法第三十六条の規定に基づく許可の取消しを行うなど、厳正に対処することとしている。