質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第三六三号

昭和四十七年政府見解の作成者である吉國内閣法制局長官の国会答弁と安倍内閣による昭和四十七年政府見解の読み替えの矛盾に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年九月二十五日

小西 洋之   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   昭和四十七年政府見解の作成者である吉國内閣法制局長官の国会答弁と安倍内閣による昭和四十七年政府見解の読み替えの矛盾に関する質問主意書

一 いわゆる昭和四十七年政府見解は昭和四十七年九月十四日の参議院決算委員会の審議における吉國内閣法制局長官答弁に基づき作成されたものであるとの理解でよいか。

二 昭和四十七年九月十四日の参議院決算委員会において吉國内閣法制局長官が「日本とは別なほかの国が侵略されているということは、まだわが国民が、わが国民のその幸福追求の権利なり生命なり自由なりが侵されている状態ではないということで、まだ日本が自衛の措置をとる段階ではない。」と答弁をしているところ、いわゆる昭和四十七年政府見解は当該委員会の審議における吉國内閣法制局長官答弁に基づき作成されたものであるにもかかわらず、なぜ、当該政府見解に限定的な集団的自衛権を法理として読み取ることができるのか、論理的に示されたい。

三 昭和四十七年九月十四日の参議院決算委員会において吉國内閣法制局長官が、「わが国は憲法第九条の戦争放棄の規定によって、他国の防衛までをやるということは、どうしても憲法九条をいかに読んでも読み切れないということ、平たく申せばそういうことだろうと思います。憲法九条は戦争放棄の規定ではございますけれども、その規定から言って、先ほど来何回も同じような答弁を繰り返して恐縮でございますけれども、わが国が侵略をされてわが国民の生命、自由及び幸福追求の権利が侵されるというときに、この自国を防衛するために必要な措置をとるというのは、憲法九条でかろうじて認められる自衛のための行動だということ」と答弁をしているところ、いわゆる昭和四十七年政府見解は当該委員会の審議における吉國内閣法制局長官答弁に基づき作成されたものであるにもかかわらず、なぜ、当該見解に限定的な集団的自衛権を法理として読み取ることができるのか、論理的に示されたい。

四 昭和四十七年政府見解の作成者である吉國内閣法制局長官が、その作成要求がなされた国会審議において、前記二及び三のような答弁を行っているのだから、同政府見解にある「外国の武力攻撃」という文言を作成後四十二年後になって、「同盟国等に対する外国の武力攻撃」など「我が国に対する外国の武力攻撃」以外の意味に読み替えることは、意図的かつ便宜的な論理の捏造というべき暴挙でないか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。