質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二八六号

海上幕僚監部防衛課及び幹部学校作戦法規研究室作成の資料「平和安全法制案について」における「実際の運用を踏まえたイメージ」のリアリティに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年九月十四日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   海上幕僚監部防衛課及び幹部学校作戦法規研究室作成の資料「平和安全法制案について」における「実際の運用を踏まえたイメージ」のリアリティに関する質問主意書

 平成二十七年八月十日に防衛省から参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会(以下「参議院平和安全法制特別委員会」という。)理事会に提出された海上幕僚監部防衛課及び幹部学校作戦法規研究室作成の資料「平和安全法制案について(平成二十七年六月付)」の五十二頁「実際の運用を踏まえたイメージ」(以下「本資料」という。)について、以下質問する。

一 安倍内閣総理大臣及び中谷防衛大臣は、平成二十七年七月二十九日の参議院平和安全法制特別委員会において、本資料の記載内容を質した小池委員に対して、実際の後方支援は、魚雷が届かない離れた後方から行うから武力行使と一体化しない旨答弁しているが、本資料に示された事例の場合、何キロメートル後方であれば他国の武力行使と一体化しないのか、抽象的ではなく、具体的な数字として示されたい。

二 艦載ヘリの航続距離は約八百キロメートル(SH-60シーホーク、航続距離 八百三十四キロメートル(四百五十海里))であり、往復距離及び艦載ヘリが飛行先で戦闘活動を実施することを考慮すると、海上自衛隊の護衛艦は戦闘現場から三百キロメートル圏内で後方支援を行うことになると考えられる。一方、例えば、潜水艦発射のハープーンミサイルの射程は三百十五キロメートル、水中発射の巡航ミサイルトマホークRGM/UGM-109BTASMの射程は四百六十キロメートルであることから、三百キロメートル離れていても、後方支援を行う護衛艦は完全に潜水艦の攻撃の射程範囲内となる。本資料に示されている護衛艦の想定される活動位置は、潜水艦の攻撃圏内にあり、安倍内閣総理大臣及び中谷防衛大臣の説明と矛盾すると考えるが、政府の認識を明らかにされたい。

三 本資料は、自衛隊の専門家が作成した資料としては、余りにリアリティに欠けているのではないかと考えるが、作成を指示した中谷防衛大臣の認識を明らかにされたい。

  右質問する。